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Yahoo検索 VS Google検索【店舗の開業なら塊】
検索エンジンのはなし こんにちは。 株式会社塊です。 みなさんは普段インターネット検索をする際に、何の検索エンジンを使いますか? 私はiPhoneで検索することが多く、その際にはまず「Safari」アプリを立ち上げます。 Safariとはアップル社が開発したウェブブラウザで、これはGoogle検索エンジンをデフォルトに設定しています。 特に変更などしていないため、何か検索するときはGoogleで検索することになります。 会社のPCはGoogle Chromeをデフォルトに設定しているので、公私ともにGoogle検索がメインになっています。 みなさんはいかがでしょうか。 Microsoft BingはWindows PCの初期デフォルトに設定されていることも多いですし、Yahoo検索を利用するという方もいるかもしれません。 2024年の日本国内における検索エンジンシェア率は1位がGoogle、2位がYahoo、3位がBingという結果になりました(Search Engine Market Share Japanによる)。 ただ、YahooとBingの差はあまり見られず、Bingがここ数年でぐっと上がってきました。 とはいってもGoogleが全体の8割を占めるので、一強と言っても過言ではありません。 ウェブマーケティングを行う際によく聞く、SEO対策やMEO対策なども「Google検索」における対策のことです。 お店の告知や周知をしようと思ったら、とりあえずGoogle検索上での対策をすればいいと思って間違いありません。 しかし、例えば、2番手につけるYahoo検索には強い分野があることをご存じでしょうか。 Yahoo検索って実際どうなの? Yahooはもともと、1994年にアメリカで生まれたインターネット関連のサービスを提供する会社です。 その2年後の1996年には、日本のソフトバンクと共に合弁会社「ヤフー株式会社」を設立しました。 その後米国Yahooは清算されることになりますが、日本ではヤフー株式会社が残ることとなりました。 そして2023年にはLINE株式会社と統合し「LINEヤフー株式会社」と成長していったのです。 Googleに比べて利用者数は少ないですが、Yahoo検索エンジンには以下のような特徴があります。 ①ボリューム層が40-60代 Googleのボリューム層が10-20代なので、Yahooのユーザーは比較的年齢層が高めです。 ②デスクトップからの利用が多い Googleは圧倒的にモバイルデバイスからの利用が多いのですが、Yahooはデスクトップからの利用数もそれなりに多いことが分かっています。 ③プライベートでの利用が多い Googleはビジネスでの利用が多いのに比べ、Yahooはプライベート利用が多いようです。 デフォルトや推奨検索エンジンにGoogleを選択している企業が多いため、ビジネスの利用割合が高くなっています。 プライベートにおいては検索エンジンを自由に選択することが出来るので、必然的に他の検索エンジンはプライベート利用の割合がGoogleよりも増えるのでしょう。 まとめ 実際にYahoo検索 VS Google検索と考えると、圧倒的な利用者数の差でGoogleに軍配が上がるでしょう。 しかし、もしあなたの顧客層が40代以上の高年齢層ならば、GoogleだけでなくYahoo検索エンジンのSEO対策も行ってみてもいいかもしれません。 また、プライベートでの検索はYahooでするという一定の声もあるので、 洋服や趣味の商品など嗜好品販売をする小売店や、個人経営の小さい飲食店などをする方も考えてみてもいいでしょう。 さらに、Yahooにはローカル情報や時事性の高いニュースが上位表示されるという法則もあります。 地域に根差した事業を行う場合も、うまくYahoo検索エンジンを利用してみて下さい。 検索エンジンのユーザー特性を理解して、それぞれに合ったウェブマーケティングを考えると、より効果的なアプローチが出来るでしょう。 まずは自分のお店の顧客の年齢層や性別、職業帯などをよく考えることから始めてみて下さい。
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その取引先は大丈夫?チェックする方法【店舗の開業なら塊】
商品を仕入れたい!企業と取引をするその前に こんにちは。 株式会社塊です。 店舗開業は一人で出来るものではありません。 施工に始まり、様々な業者・人・機関が関わってようやく一つのお店が出来上がります。 また、開業後の経営においてもそうです。 お客さんが居なければ商売が成り立たないのはもちろん、スタッフや取引先が必要になってきます。 取引先と一概に言いましたが数社必要で、飲食店でしたら食材の仕入れ先やおしぼり・ナプキン等の仕入れ先、清掃業者やリース業者など様々な取引先が必要になってきます。 小売業も同じで、アパレルなら商品や原材料の仕入れ先、清掃業者や家具リース業者、商品保管業者や処分業者も必要かもしれません。 スーパーなどは言わずもがな、様々な食料品の卸売業者とつながる必要があります。 しかし、まずその取引先を見つけることが結構苦労しますし、難しいのです。 例えば、ある東京のレストランは、ジビエを仕入れるために岐阜や長野まで来て直接交渉するんだとか。 質の高いものを提供してくれる、信頼できる取引先を見つけることは結構大変なのです。 そうしてようやく苦労して見つけたその仕入先、本当に大丈夫でしょうか。 毎週卸しに来てくれる野菜卸業者と契約したとしましょう。 最初に3ヶ月分まとめて支払います。交通費なども込で、3ヶ月間は毎週届けてくれます。 3ヶ月後は1ヶ月毎の前払いシステムです。 ところがどうでしょう、2週間目でその業者が倒産してしまいました。 場合によっては取引先への返済義務が生じなくなるので、その際には2ヶ月と2週間分のお金が無駄になるだけでなく、急に途絶えた野菜の仕入れをどうするか段取りをつけることまでしなけばなりません。 会社、個人関係なく、どこかと取引する際にはよくよく相手の企業を調べておきましょう。 これは、仕入れ先だけでなく、開業時の施工会社や設計会社、コンサルティング会社などにも言えることです。 しっかりと下調べをしたうえで取引を結んでくださいね。 取引先が安全かどうかの調べ方 ①インターネットで取引先の会社名、住所、代表者名などを調べる まずは、一番すぐにできる方法である、インターネット検索を利用しましょう。 会社名だけでなく、代表者名や住所もしっかりと見ておくことをおススメします。 HPはありますか。それはきちんと情報が記載されていないような手作りサイトではないですか。 住所はきちんと会社ですか?集合住宅の1室などではありませんか。グーグルマップの写真も見てみましょう。 代表者名を調べたときに怪しい情報は出てきませんか。ただ、これは同姓同名である場合もあるのでよく調べてみて下さいね。 出来れば、上記に加えてSNSでも調べられると良いです。 ②法人番号を検索する 国税庁が提供している「法人番号公表サイト」では各会社に割り振られている法人番号を検索することが可能です。 きちんと法人登録されている会社ならば、ここに情報が出てくるはずです。 本当に存在する会社なのか、登記がされているのかを確認しましょう。 また、 また、法人番号が付与された日=法人設立日や本社移転の履歴、法人閉鎖履歴など、変更履歴を確認することもできます。 ③検索をする 日本年金機構が提供している「厚生年金保険・健康保険 適用事業所検索システム」では、その会社の被保険者数つまり正社員数を調べることが出来ます。 社員人数はHPと大きく差異はないですか。 最近、知人がある小売販売業者と取引をしました。 知人の作品を置いてもらえるようになったそうですが、その小売販売業者を調べてみると、 このような会社は少し不安です。 ④企業の財務情報を調べる 「会社名+帝国データバンク」や「会社名+東京商工リサーチ」などで調べてみて下さい。 こちらも同様にインターネット検索で調べることが出来ます。 その取引先がそれらの調査会社に財務状況を報告している場合、インターネットで無料で閲覧することが出来ます。 ただ、これは大きい会社は閲覧可能なことが多いですが、小さい会社だと難しいです。そして個人事業主は載っていません。 また、それら調査会社に信用調査依頼をかけることもできます。 これは1件いくらとお金がかかってしまいますが、どうしても不安な時や、大きな取引を行う場合は調べてみても良いでしょう。 ➄直接会いに行く 百聞は一見に如かずと言いますが、やはり実際に会ったときの印象や直感は大事です。 何か嫌だな、と思ったらその感覚を大事にしてください。 相手の服装や態度、言葉遣いなどをしっかりとチェックして見極めて下さいね。
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4月13日から万博が始まります!【店舗の開業なら塊】
2025大阪万博 こんにちは。 株式会社塊です。 いよいよ来週13日(日)より大阪万博が開幕します! 前回の日本における万博は愛知県での開催だったので、親しみ深いという方も多いのではないでしょうか。 私も当時は年間パスポートを購入して頻繁に行っていました。 今回の大阪における万博は、メタンガスの発生や休憩所の天井に吊られた石、工事代金の未払いなどケチが付くような開催となってしまったのは残念ですが、もちろん見どころも沢山あるようです。 会期は2025年4月13日~10月13日までの半年間。 弊社も一部施工に携わりました!ぜひ足を運んでみて下さいね。 見どころ ①大屋根リング まず、万博会場を囲む大屋根リング。 建築家の藤本壮介さんが設計されました。 これは世界最大の木造建築物となり、ギネスにも認定されました。 大屋根からは美しい瀬戸内海の様子が望めるようです。夕日も綺麗に見えるんだとか。 ②各国のパビリオン 47ヵ国のパビリオンが立ち並ぶ今回の万博。 マレーシア館では5000本の竹によって作られた建築が見ものです。 オランダ館では大きな球体の構造物が目を引き、ミッフィーも登場します。 アメリカ館では月の石が展示され、イタリア館ではローマ時代の彫刻やダヴィンチのデッサンやメモが展示されます。 もちろん各国のフードも楽しむことが出来ます。 ③火星の石と月の石 日本館では火星の石が、アメリカ館では月の石が展示されます。 1970年の大阪万博でも月の石は展示されましたが、今回の展示品はこれとは異なるようです。 ③未来の洗濯機 株式会社サイエンスによって開発された未来の洗濯機。 ヘルスケアパビリオンに展示される、この未来の洗濯機は通称「ミライ人間洗濯機」と呼ばれ、そのカプセルに入ることで自動的に身体を綺麗にしてくれます。 それだけでなく、背面のセンサーで入浴者の心拍数を測定し、その人の今の状態に合った照明の色や映像・音楽をカスタマイズ。よりリラックスできる空間を提供してくれるそうです。 他にも、iPS細胞研究の発表があったり、実物大ガンダム像が展示されていたり、25年後自分に会えるAI技術による展示があったり…。巨大なプロジェクションマッピングなども見どころです。 大阪外食産業協会の出店や吉本興業の出店があったりなど大阪ならではの展示もあります。 また、万博内に出店される「スシロー 未来型万博店」では全て養殖の魚を使用。また、外国人向けにロール寿司やヴィーガン商品、豚肉など特定の食品を使用しない商品が提供されます。 注文モニターでは今抱える海洋問題などが学べるゲームが用意されます。 万博を楽しもう! 万博、いわゆる万国博覧会の目的は、 新しい技術や文化を世界に発信して、人と人、国と国との交流を深めることにあります。 この機会に外国の文化や最新技術を学び、店舗の開業にもなにか生かせるといいですよね。 各国のフードを研究してみるのも面白いかもしれません。 また、万博の開催によって増えるであろうインバウンド需要を折角ならば取りこみましょう。 開催が間近に迫っていますので、早い準備が必要です。 英語のメニューだけでもあるかないかで全然違うので、用意しておくと差がつけられるかもしれません。 先日テレビ討論会で、石破総理を交えて万博についての話がされていました。 多くは後手に回った対応やマーケティングの下手さ、建築の遅れなどの話でした。 いつまで経っても万博の見どころではなく、このような不備に対して注目が集まってしまうのは少し悲しいですね。 批判や意見が多い万博であることには間違いありませんが、折角日本で開催される万国博覧会なので、楽しんでください。
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食中毒が!間借営業の場合どちらに非がある?【店舗の開業なら株式会社塊】
愛知県でも集団食中毒が発生 こんにちは。 株式会社塊です。 数日前に愛知県東浦町の飲食店で26人におよぶ食中毒が発生しました。 調理者にノロウイルスの発生が認められましたが、食中毒は発生源の特定が難しいです。 発生源として考えられるのは、上記のような体調不良者だけでなく、 仕入時に食料品に既に付着している場合もありますし、 保管状況が悪く、保管時に付着してしまうこともあります。 また、客または従業員によるトイレ汚染が原因の場合もあります。 2月には東京で81人、神戸で13人、大阪では56人の集団食中毒が発生し、それぞれ営業停止処分となりました。 3月は鳥取で33人、島根で40人、岐阜では320人の集団食中毒の発生が確認され、これらの店舗も業務停止命令を受けました。 全国的に食中毒の発生が多く報告されているので、十分気を付けてくださいね。 お店側が衛生管理を徹底するのはもちろんですが、お客さん一人一人も手洗いうがいなどによる予防策を取った方がいいでしょう。 食中毒には主に2種類あります。 細菌性の食中毒とウイルス性の食中毒で、 ウイルス性は11月~3月がピーク、細菌性は7月~8月がピークです。 イメージで夏のほうが不衛生になりやすく起こりやすいような気がしますが、年中起こり得るので常に衛生環境を整えることが大事です。 間借営業で食中毒が発生、非はどちらにある? 最近流行りの「間借り営業」。 夜間営業のバーの昼間帯を借りる、昼間営業のカフェの夜間帯を借りる、土日休みの小売店の休業日を借りる…… 開業と言っても今は様々な方法があり、間借営業もその一つです。 借りる側は、テナント料金を大きく抑えることができ、当たり前ですが家具や設備・備品も備え付けてあるので、初期費用もかかりません。 もともとそのお店についていたお客さんがきてくれることもあるので、集客もうまくいくことがあります。 貸す側にとっても、今まではお金を生み出さなかった営業外時間がお金を生む時間に変わるので、メリットが大きいです。 しかし、「間借営業」にはメリットばかりではなく、デメリットもあります。 ①周知が難しく、集客に苦労することがある 上記には、もともとのお客さんがつくなどをメリットにあげました。 確かに、そのように元のお店のお客さんが間借時間帯に来店してれるというのはよくあることですが、 集客はそれだけでは足りません。 しっかりと宣伝することが大事です。 しかし、間借営業である以上、Googleマップへの掲載も出来ませんし、看板を出すことも出来ません。 広告宣伝が既存店と比べてハードルがかなり高くなりますので、そこは認識しておきましょう。 ②貸す側と借りる側でトラブルとなることがある ●食中毒が発生した場合 例えば、食中毒が発生した場合。 上で食中毒が今流行している話をしました。 私自身も先日かかりましたし、周囲にも罹患者をよく聞くようになりました。 では、間借営業中に食中毒が発生した場合、それはどちらの責任になるのでしょう。 食中毒の発生源は特定が難しいです。 厨房や冷蔵庫内の衛生環境、スタッフ、トイレ、食品業者など様々な可能性が考えられます。 そのため、間借営業で提供した料理によって食中毒者が発生したとしても、間借りしている側に非があったのか、貸す側に非があったのか特定することは難しいのです。 そういった状況もあって、行政から業務停止命令などの処分を受けた場合はどちらも営業を停止しなければなりません。 ●器具や備品が壊れた、故障した場合 これもよくトラブルとなるケースです。 間借側が破損したとしても、それは経年劣化である可能性があり、原因を特定することが難しいです。 調理器具やお皿などの備品が破損した場合は、破損した側が負担して復旧するケースが多いです。 しかし、冷蔵庫やレンジフードなど大型厨房機器が壊れたりした場合はどうでしょう。 どのように、どの程度修理費用を負担するのか契約時に決めておくことが大事です。 ●お客さんとお店間でトラブルがあった場合 最近聞いた話では、既存店の常連客が間借店の店員とトラブルになり、お店にもう来なくなってしまったためお店同士が揉めたという話を聞きました。 既存店からしても大事な常連客を失うのは痛いことですし、怒りは最もです。 しかし、間借店も不当な扱いや嫌がらせを甘んじて受けるわけにはいきません。 このように、お客さんが絡んでいるトラブルもよく散見されます。 ●営業時間がきちんと守られない場合 既存店が営業時間を超えて営業したために、次の間借時間帯まで食い込んでしまう。 逆に、間借側が既存店の営業時間や仕込み時間に食い込んでしまうこともあります。 お客さんの来店はもちろん良いことですが、そのために貸す側や借りる側に負担を強いるのはよくないです。 ●相手のお店の利用方法に不満がある場合 片付けなければならない調理器具が片付けられていない、置くべき場所に物が置かれていない。 汚したら汚れたまま放置されている、清掃の仕方に不満がある。 大切に使っている調理器具や備品に傷がよく増えるようになった、ヒビが入るようになった、壊れる頻度が高くなった。 食器や調理器具の洗い方に不満がある。 壁や床が削れていたり、剥がれていたり、キズや跡がついていたりする。 ごみ捨ての担当を守れていない……。 相手の利用方法に不満があり、揉めるというのもよくあるケースです。 例えば洗い方までの共有は難しいですが、譲れないルールは契約時にきちんと通達することが大事です。 まとめ 間借営業は新たな開業スタイルで、理にかなった良い開業方法と言えるでしょう。 しかし、このようにデメリットがあったり、トラブルとなることも多いので、 契約時にきちんと取り決めをしてそれをしっかりと守るようにしましょう。 ただ、本当は揚げ物が出したいのに既存店にフライヤーがないため提供できない、 もっと生鮮食品が提供したいのに冷蔵庫に限りがあるため仕入れられない、などの間借営業には自由度が制限されることがあります。 自分が本当にやりたいことは何か、お店をつくる上で再考する必要があるのかもしれません。
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前の店舗のせいで印象が悪くなることも?居抜き物件の話【店舗の開業なら塊】
居抜き物件で開業するという選択肢 こんにちは。 株式会社塊です。 2024年の飲食店倒産数が過去最多となったようですが、補助金の終了や物価高・人件費の高騰からこの流れはまだまだ続くと予想されます。 しかし、なくなるものが多ければまた、出てくるものも多くなります。 大量閉店の後は、新規店舗を開業する絶好のチャンスです。 競合他店が減りますので、経営もやりやすいでしょう。 また、閉店後の居抜き店舗を狙って開業すれば、初期費用を抑えることも可能です。 居抜き物件とは、前入居者の店舗内内装や設備が残っている状態の物件のことを言います。 どれくらい残っているかは物件によって様々で、壁紙や家具、お皿や細かいインテリアなどもそのままそっくり残っているような物件もあれば、 エアコンや厨房などの設備のみが残っている物件もあります。 居抜き物件の良いところは、なんと言っても改修費用が抑えられること。 家具等も備え付けのものを使用するならば、クリーニングのみで済むということもあります。 イチから物件を作ろと思うと数百万円~数千万円かかりますが、クリーニングのみであれば数十万円~数百万円で済みますので、その差は歴然です。 上記は極端な例でクリーニングのみで済ませることは稀ですが、それでも一部改修や備品・家具購入で済むとなると、やはり大分安価に抑えることが出来ます。 スケルトン物件(なにもない状態の物件)に比べると、居抜き物件はほとんどの場合が安価な初期費用での開業が可能です。 居抜き物件で開業して失敗?どのようなリスクがあるのか このように聞くと、居抜き物件を選択した方がいいのではないかと思いますよね。 しかし、居抜き物件での開業には思わぬ落とし穴もありますので、慎重に見極めることが大事です。 ①前店舗の悪い印象が受け継がれてしまうことがある イタリアンバルをオープンした知人がいました。 彼はバーとして使用されていた居抜き物件を改修して、そのお店をオープンしました。 ですが、改修と言ってもそう大きくは変えなかったようです。 バーカウンターとテーブル2席ほどでバルにもちょうどよく、内装もオシャレだったので、改修したのは壁と床の貼替とトイレくらいでした。 内装もオシャレだし、味も申し分ない。なのになかなかお客さんが来ない様子でした。 話しを聞いていると、SNSやMEO対策、広告にも力を入れているそう。 それにも関わらず、開店当初にここまでお客さんが少ないというのはあまりない話です。 なぜでしょうか。 その理由はそのテナントの悪評にありました。 もともとそのテナントに入っていたバーですが、ガラの悪い人たちが集まると悪い評判があったようなのです。 そういった評判だけでなく、騒音のことで近隣住民や近隣店舗と実際に揉めたりもしていたそうです。 そのテナントには上記のような良くない印象がついてしまっていたので、新しいお店をオープンしてもその印象が拭えず、なかなか客足が伸びないようでした。 何も知らない遠方からのお客さんは獲得できますが、近隣のリピーター客を獲得するのにはとても苦労していました。 数年かけてようやくお客さんもついたようですが、その間は移転を考えるほど大変だったそうです。 ②厨房のリース費用の債務がかかることがある 冷蔵庫やガスレンジ、フライヤーや食洗器など店舗用厨房機器を揃えるのには大変なお金がかかります。 そのため、大体の方が中古で購入したりリースで契約したりするのですが、 居抜き物件でリースの厨房機器が設置されている場合、注意が必要です。 この場合はリースの権利も次のテナント契約者に譲渡されるため、債務を負うことになります。 なのでテナント契約時にはテナントの契約内容だけでなく、 リース契約の残額と契約年数、契約内容をきちんと確認して把握することが大事です。 それぞれの厨房機器によって残額や内容、契約年数が異なる場合があるので一つ一つ確認しましょう。 故障時のメンテナンスはどうするのかなども確認してください。 ③家具や備品、設備などに悪臭や老朽化、不備等がある場合がある 備え付けの家具や備品、設備は金銭面から見ると大変お得ですが、それらが老朽化していたり、不備があったり、悪臭がある場合があります。注意してください。 不備があると、数ヶ月~数年で使い物にならなくなることがあります。その際にはもちろん買い替えが必要です。 また、トゲや釘が出ている、ヒビが入っているなど危険性を孕む場合もあります。 最悪の場合、お客さんが使用した際にケガ等を負ってしまうかもしれません。十分注意てください。 また、古い設備の継続利用は害虫の発生を招いたり、光熱費の不要な高騰を招くこともあります。 まとめ スケルトン物件での開業も、居抜き物件での開業も、どちらもそれぞれデメリット・メリットがあります。 一般的に居抜き物件の方が人気ですが、居抜き物件には上記のようなリスクもあることを忘れてはなりません。 また、居抜き物件は内装変更の自由度が少ないので、結局移転したくなる・改修したくなる方が多いのも事実です。 しっかりとそれぞれを比較するだけでなく、該当物件の契約内容や現在の状況を確認することもお忘れなく。
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旅館・ホテル市場が過去最高に?インバウンドがもたらすもの【店舗の開業なら塊】
旅館・ホテル市場が過去最高を更新する見込み こんにちは。 株式会社塊です。 気が付けばGWもあと少し、みなさんお出かけの準備は出来ていますか? 周りの話を聞いていると、旅行に行く方がやはり多いようです。 さて、つい先日カフェ(喫茶店)の倒産件数が過去最高になる見込みだという話をしました。 また、つい先日帝国データバンクにより発表されたデータによると、飲食店全体の倒産件数は2024年が最多の894件となり、前年(768件)比で16.4%増加したそうです。 これは、コロナ禍真っ只中の2020年の780件を上回る数字となりました。 ※「飲食店」の倒産動向調査(2024年) 帝国データバンクより 賃上げは順調に行われているようですが、まだまだ底上げには足らず、物価高は依然として継続しています。 円安も依然として続き、不況と言って間違いないでしょう。 さらには、円安で恩恵を受ける輸出企業も今後はトランプ政権下のアメリカの施策により打撃を受けそうです。 そんななか、過去最高額の市場規模となっているものがあります。 それが「旅館・ホテル市場」になります。 帝国データバンクによると、2024年度の旅館・ホテル市場は5.5兆円に到達する見込みで、これは過去最高額になります。 コロナ禍以前、よくニュースでも外国人旅行客による爆買いが放送されていた2018年度でも5.2兆円だったので、今回それを上回る形となりました。 これは偏にインバウンドによる需要が大きく影響しています。 2024年訪日外国人数は3,686万人で過去最多となりました。 これは、コロナ禍前の最高値2019年の3,188万人よりも500万人も多く、さらには2025年1月単独で見ても前年比41%増の約380万人となりました。 しかし、ホテルや旅館全体の約3割が増収を報告している一方、人件費や光熱費、食材費の高騰を価格に転嫁できず減収となった企業が増加していることも忘れてはなりません。 また、インバウンド旅行客が増えすぎることによる弊害も出てきています。 日本人が宿泊施設に泊まりたくても空きがなく我慢を強いられることや、 観光地に人があふれたことによる地域住民への交通や騒音被害、ごみなどの被害も報告されています。 インバウンドには日本経済においては外貨を獲得できるといういい面もありますが、このような弊害が起きていることも考えなければなりません。 しかし、こと小売店や飲食店に言及すると、このインバウンド需要は是非活用したいものです。 インバウンドの需要を上手く取り込むためには インバウンドの需要を「上手く」取り込みましょう。 「上手く」というのはなにも英語教育をする、外国人向けのメニューを用意する、 パフォーマンスをする、英語サイトに掲載するなど、完全に外国人に向けた方法を取ろうとわけではありません。 お金や時間をかけずに、労力をそれほど使わずすぐ出来ることがあります。 例えば、タッチレス決済の導入はその一番いい方策です。 現地のお金で払うには換金というひと手間が必要で、さらに現地のお金の種類を把握することは難しく、会計時にも苦労します。 そのような煩わしさを軽減してあげるために、タッチレス決済は有効です。 出来ればクレジットカードだけでなく、AlipayやWechat Payなどを導入すると、中国人客を中心に集客がより可能になります。 また、外国語のメニューを用意するのもそこまで大変ではありません。 各国語のメニューだと大変なので、英語メニューの追加のみで十分でしょう。 今はインターネットを使って簡単に翻訳が可能なので、知識も必要ありません。 少しおかしな表現があったとしても、大体理解してくれるのでそこまで気にしなくても大丈夫です。 最近よく聞くのは、外国人旅行客でお店がいっぱいになってしまい、日本人のお客さんが入れない、常連客が来なくなってしまったという悩み。 特に大阪・東京などの大都市圏や京都などの観光地で聞きます。 確かに、インバウンド旅行客が増えている今、それを取り入れない手はありませんが、果たしてその方たちは来月また来てくれるでしょうか? 需要の波に乗るのは大事ですが、やはり何度も脚を運んでくれるお客さん、自国のお客さんを大事にしなければ好調な売り上げも一過性のものとなってしまうでしょう。 バランスを取りながら、上手に経済動向を捉えて利用してください。