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リピート率をアップするには?【店舗の開業なら塊】
「リピート率」とは こんにちは。 株式会社塊です。 リピートとは英語で「繰り返し・反復」の意味です。 商品やサービスを購入した顧客が再度購入することを「リピートする」と言い、その顧客を「リピーター」と称します。 そして、「リピート率」とは任意の期間の全顧客中、どれほどリピーターがその割合を占めたかを示す指標です。 計算方法は、任意期間のリピート顧客数÷累計顧客数×100になります。 このリピート率を求めることによって、顧客満足度を把握することが出来ます。 また、顧客獲得のために現在行っているキャンペーンやサービス、経営方法が間違っていないかどうかを計る指標にもなります。 リピーター顧客を獲得することは売上の安定に繋がるため、 リピート率を確認しながら商品やサービスをより良いものに改善し、リピーター顧客の増加・リピート率のアップを目指しましょう。 リピート率を計算してみよう! 先ほど、リピート率の計算方法をご紹介しました。 リピート率 「任意期間のリピート顧客数÷累計顧客数×100」 実際に計算してみましょう。 2025年1月~6月の半年間で5000人の来客があったとします。 そのうちリピート顧客数は2000人でした。 このときリピート率は2000÷5000×100=40%になります。2-3人に1人がリピーターだったということになりますね。 例えば、ここがビジネス街の定食屋さんであった場合、リピーターが半数もいないのは少し問題です。 そのようなお店の形態の場合、売上増加・経営安定のためにはリピーター獲得が最も大事な要素になるので、料理やサービス、金額などを改善する必要があります。 しかし、例えばこれが繁華街のオシャレカフェならばなかなか優秀だと思います。 このままのやり方で余程問題はないでしょう。 ですが、これが郊外の素朴な喫茶店ならば、もう少しリピート率を高めたいものです。 そのような形態のお店であるならば、毎日朝喫茶店に来るような高齢者や出勤前の会社員をもう少し定着させた方がいいでしょう。 リピート率は一概に「〇〇%以上ならばよい」という風には言えないので、自分がどのようなお店を運営しているのかを加味しながら判断してください。 リピート率を上げる方法 あなたは、よく行くお店はありますか? どうしてそこに何度も訪れるのでしょうか? 例えば、私は2週間に1度は行く焼肉屋さんがあります。休日にランチをそこでします。 なぜそこに行くのかというと、①安い②いつもすぐ座れる③美味しい・提供内容がいい④繁華街でその後ショッピングできる という理由があげられます。 ここは家から遠いため車で行かなければなりません。さらに駐車場がなく、パーキングに停めなければならないので、駐車場が高くつきます。しかしそれを上回る利点があります。 また、1週間に1度は行く定食屋さんがあります。 なぜそこに行くのかというと、①職場から近い②安い③美味しい という理由が挙げられます。 ちょっと衛生的に気になるところもありますが、こちらもそれを上回る利点があります。 一回きりしか行かなかったお店があり、まだ行ったことがないお店も無数にあるなか、ある特定のお店をリピートをしたくなるのはなぜなのでしょうか。 例えば、ものすごく美味しい料理が食べられるけれど飛行機で3時間かかるお店があったとします。 リピートすることは一生のうちにもしかしたら数回はあるかもしれませんが、ほとんどの方がその一回切りになるのではないでしょうか。 例えば、家から歩いて30秒のレストラン、値段も安いお店、どうしても自分の舌に合わなければおそらくリピートはしないでしょう。 しかし、これがまあまあ妥協できる程度の味ならば、月に2-3回は行くかもしれませんよね。 このように、「リピートしよう」と思う動機づけが起こるのは、 利点が欠点を上回り、自分の中の妥協点と重なった時です。 リピート率が高い=顧客満足度が高いと言えるでしょう。 しかし、その顧客の満足感を満たす要素は様々ありますよね。 金額、立地、提供内容、内装、サービス…… 全ての人の満足度を勝ち得るのは無理なのでそこは目指さずに、自店の弱いと思える箇所を改善していきましょう。 まず、立地は変えることが難しいので、いったん保留にします。 内装を変えることは可能ですが、こちらも費用が大きくかかること、期間がかかること、休業しなければいけないかもしれないことを考えると、後回しでいいでしょう。 ただ、明らかに内装や立地が原因でリピーターが獲得できない場合は考えた方がいいです。 金額、提供内容(商品)、サービスは割とすぐに改善が可能です。 周辺の同業他店との金額感の違いを精査することは大事です。 提供内容の味や見た目、量の改善をしたり、期間限定商品の開発や新商品の開発をしたりすることも有効です。 サービスは一番すぐに改善することが可能です。笑顔での接客やテーブル・備品・トイレなどの清掃、クレーム対応のマニュアル化など、ぜひ今日から取り組んでみて下さい。
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洋風天井のいろいろ【店舗の開業なら塊】
増える洋風の建築物 こんにちは。 株式会社塊です。 今日は、洋風の天井の種類をご紹介したいと思います。 日本にはいま、洋風住宅と和風住宅、和洋折衷住宅など様々なタイプの住宅が存在します。 地域差はありますが、現在のトレンドはやはり和風よりも洋風住宅に傾いています。 例えば、私がいつもジョギングをする山崎川沿いには沢山の住宅が密集していますが、8割が洋風、2割が和風といったような割合でしょうか。 先日訪れた長野の阿智村では、和風住宅が多く、大体7:3くらいの割合だったと思います。 このように地域によって異なりますが、都心部ほど新興住宅が多く、洋風の住宅の割合が増えていきます。 お店をつくる時も、ほとんどの方が洋風のお店作りを目指します。 座敷を作り畳をいれて…という店舗はなかなか見ません。 ではそんな洋風スタイルの家や店舗に合う天井とはどのような天井なのでしょうか。 洋風天井の様々な種類 (1)平天井 天井面が水平で、床に対して平行になっている天井のことを言います。 最も一般的で、シンプルなつくりと言えるでしょう。 また、他の天井に比べて施工の際のコストを抑えることが出来ます。 ちなみに、弊社の天井もこの平天井にあたります。 (2)勾配天井 屋根の傾斜や形状に合わせてつくられた、勾配のついた天井のことを言います。 開放感が出て、空間を広く演出できます。 しかし、天井の高さから照明交換時や清掃時に不便を感じる方も多いようです。 また、屋根と天井が近くなるので断熱性能に劣るため、しっかりと断熱対策を行う必要があります。 ↑静岡県一棟貸ホテル「日本色 NIHON IRO」 (3)下がり天井 天井の一部が他の部分よりも低くなっている天井のことを言います。よくキッチンなどに用いられます。 梁や配管を隠すために低くすることが多く、すっきりとした印象になります。 高低差部分に間接照明を仕込むなど、オシャレに空間を演出することが出来ます。 しかし、一部とはいえ天井が低くなるので圧迫感を感じることがあり、掃除がしにくい場合もあります。 ↑静岡県一棟貸ホテル「日本色 NIHON IRO」 キッチン部分が下がっているのが分かるでしょうか。 (4)腰折れ天井 天井の中央部分が平らで、両端に向かって斜めに傾斜している天井のことを言います。 デザイン性が高いだけでなく、勾配天井などに比べて屋根裏の空間を広くとることもできます。 また、水はけが良いため屋根の劣化を防ぐことが出来ます。 ただ、水平から傾斜に変わるつなぎ目部分が雨漏りしやすいので、注意が必要です。 ↑近江鉄道 鳥居本駅 他には、和風天井の際にご紹介した「船底天井」や「折上天井」もしばしば洋風スタイルの天井にみられます。
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和風天井のいろいろ【店舗の開業なら塊】
事務所に和室を作っています こんにちは。 株式会社塊です。 弊社は2月10日に、本社を天白区向ヶ丘→瑞穂区柳ヶ枝町へと移転しました。 天井と壁の絵、壁のあしらいの木貼りは弊社代表が自ら行いました。 床のヘリンボーン貼りや、アイアン家具の書類棚、ボタニカル柄のクロスが効いています。 このように事務所はほぼ完成しているのですが、「ほぼ」と申し上げた通り、一か所完成していない場所があります。 それが「和室」です。 事務所内に和室があるの!?と驚かれた方もいるかもしれませんが、とてもお洒落なモダン和室になっております。まだ工事している最中ですので、お見せできるのはもう少し後になりそうです。 右の写真のテーブル上にビニルが見えるかと思うのですが、こちらが今工事中の和室になります。ここも事務所内にあたります。 さて、今現在はこのようになっています。 床の間や、壁の一部、天井が完成しました。 これから壁の仕上げ、照明、畳入れなどを行います。 天井を格子状にななめに張ってもらいました!その道50年以上の大工さんでも、このような張り方は初めてのようです。 いい機会なので、和室や和風の店舗に合う天井をご紹介したいと思います。 和風店舗に合う天井のいろいろ (1)格天井(ごうてんじょう) 木を組んで格子状に仕上げた天井のことです。 最も格式が高い天井とされ、主に寺院や神社、城などに用いられます。 ↑成田山 深川不動堂 旧本堂 (2)竿縁天井 竿縁(細長い木材)を平行に並べ、その上に天井板を張った天井のことです。 最も一般的に用いられる天井形式で、格式高い見た目をしており、通気性が良いのも特徴です。 ↑瑞雲山正源寺 廊下 格天井と比べるとシンプルですっきりとしていますね。 (3)目透かし天井 天井板同士をぴったりと継ぎ合わせずに、少し隙間を開けて張った天井のことです。 隙間にほこりなどが入りやすいというデメリットがありますが、湿度による天井の膨張・収縮を吸収し、木の割れを防ぐというメリットがあります。 また、この隙間があることで視覚的にも美しい見た目になります。 (4)網代天井 木や竹、草などを薄く加工して編んだ「網代」を天井材として用いた天井のことです。 スギ、ヒノキ、竹などがよく使われ、異なる材料を互い違いに交差させて編むことで、様々な模様を作り出すことができます。 意匠性が高く、通気性にも優れています。 ↑京町屋 楽遊ホテル 天井 (5)折上天井 天井の中央部分を、その周りの部分より高く仕上げた天井のことです。 和室だけでなく、洋室にもよく見られます。 奥行きが出るので開放感を演出しやすく、その高低差部分に間接照明などを仕込むことでより一層素敵な空間が演出できます。 ↑成田山 深川不動堂 政廣不動の間 こちらは折上天井と(1)の格天井を組み合わせた「折上格天井」になります。 (6)船底天井 天井の中央部分が両端よりも高くなっており、船底のような形の天井のことです。 こちらも奥行きが出るため、部屋をより広く見せることが出来ます。 勾配によって通気性は良くなりますが、天井裏が狭いため断熱性能に劣るため、断熱対策が必要になることもあります。 ↑長壽寺 外陣の屋根
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新規オープン店を調べる方法【店舗の開業なら塊】
新しいお店を知りたい! こんにちは。 株式会社塊です。 「折角なら新規オープン店に行ってみたい…」 「新規オープン店が混む前に、みんなに知られる前に行きたい!」 「自分の家や職場にどんな新規店が出来るのか(出来たのか)知りたい。」 「今度の友人との予定は新規オープンの店でやりたい」 新しいお店ってなんだかワクワクしますよね。 昼の情報番組にはよく、新規オープン店の紹介がされますがそのほとんどが東京…名古屋の新規オープン店を知りたいけどなかなかテレビでは取り上げてくれません。 では、どのようにして新規オープン店の情報を仕入れたら良いのでしょうか。 また、飲食店をオープンしたときは、どのようにして周知をしてもらえばよいのでしょうか。 近所のニューオープン店を知る方法 (1)SNSで調べる インスタグラムやXなどのSNSで調べるという方法です。 特にインスタグラムには飲食店を紹介しているアカウントが多数あり、名古屋の飲食店、新規オープン店を中心に紹介しているものもあります。 ハッシュタグで#名古屋グルメ #名古屋ご飯 #名古屋ディナー #名古屋ランチ 等で検索すると沢山ヒットします。 しかし、これらのアカウントの中には、インフルエンサーとして仕事で紹介している場合もあるので注意が必要です。 仕事でPRを頼まれているので勿論悪いことは書けませんし、よりよく見せるような演出も行っています。複数のアカウントで同時期にポストされているお店には少し気を付けて下さい。 (2)地域情報サイト・情報誌で知る 例えば、名古屋昭和区には「しょうわん」という地域情報サイトがあります。 同じく瑞穂区には「みずほん」が、千種区には「ちくさん」があります。 天白区は天白区の地域情報を記したフリーペーパーを配布しており、新規開業のお店も載っています。 また、名古屋フリモは各地区ごとの地域情報を掲載したフリーペーパーです。エステサロンから病院、雑貨屋から飲食店まで、様々な既存・新規開業店舗を紹介しています。 月一の発行で、一般家庭に配布されています。目にしたことがある方も多いのではないでしょうか。 居住地の近くの新規開業店舗を知ることが出来ますよ。 (3)食べログの「ニューオープン」を見る 意外とこの方法を知っている人がいないのですが、この方法が一番おすすめです! まず、食べログで飲食店を検索する時、2つ方法があります。 1つは検索エンジン(GoogleやYahoo)で「食べログ 名古屋 イタリアン」などとフレーズを打ち込んで検索するパターンで、 もう1つは検索エンジンで「食べログ 名古屋」と調べ、食べログサイト内でジャンルなどを調べる場合。 前者の方が、行うアクションが少ないので、ジャンルなどがある程度決まっている人は前者の方法で調べることが多いでしょう。 しかし、お店が全く決まっていない場合、後者で様々な飲食店を見る場合もあります。 いずれの場合でも、検索結果のページに出てくるのは標準【PR店舗優先順】のリストです。 ↓ この標準というのは、食べログを運営する会社にお金を余分に払い、PRを依頼している店舗が上に上がってくるという仕組みでリスト化されています。 右のランキングや口コミが多い順のリストを選択すると、食べログの点数順や口コミ数順で飲食店を見ることが出来ます。 そして一番右の「ニューオープン」ですが、これは新規開業店舗が開業日順に並んでいます。 まだ開業していない飲食店の情報も、開業予定日と共に載っています。チェックしてみて下さい。 まとめ SNSや地域情報誌、サイトを駆使してぜひ新規開業店舗を調べてみて下さい。 美味しそうなご飯やオシャレなお店は見ているだけで楽しいですよね。 飲食店開業をする方は、ぜひこれらのメディアに情報を載せるように意識してみましょう。 SNSのアカウントを開設し(特にインスタグラム)、そこから直接予約できるようなシステムを導入します。 インフルエンサーに依頼するのもやはりまだまだ有効な方法ではありますが、やりすぎは禁物です。 食べログは掲載に料金がかかってくるので、掲載するのがベターですがしっかりと考えましょう。 今は、インスタからの予約または電話での予約のみとしている店舗も増えてきました。 その場合は、SNSとGoogle Mapに情報をしっかりと掲載してください。 また、地域情報誌やサイトに掲載してもらうのも手です。 フリモの掲載料金は月額5000円前後で安価なのでおすすめです。サイトへの掲載はサイト内のメール機能などで問い合わせてみると良いでしょう。 飲食店開業時に一番大変なのがこの「周知」にあたります。 まず知ってもらわないと、何も始まりません。 様々な方法を駆使して伝えてみてください。
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暑さによる食中毒にご用心!【店舗の開業なら塊】
ウイルス性→細菌性の食中毒へ こんにちは。 株式会社塊です。 先日SNS「X」で神戸市のラーメン店で集団食中毒が発生し、話題になりました。 ラーメン自体は、具材や麺に火を通して提供される温かい料理なので食中毒は発生しにくいのですが、 神戸市某店のラーメンには、レアの状態の鶏チャーシューがのっていたため、それに付着したカンピロバクター細菌が原因で集団食中毒を引き起こしたようです。 東海地方の梅雨入りが先週月曜日の6月9日に発表されましたが、今週はずっと雨は降らないようです。 さらには、昨日(6月16日)から全国的に夏日、真夏日を観測しており、6月にもかかわらず本格的な夏が到来したと言われています。 今日も名古屋は34℃予想で、千葉や茨城には熱中症アラートも出ているんだとか。蒸し暑い日々が続きます。 さて、熱中症にも気を付けなければなりませんが、この時期気を付けたいのは「食中毒」です。 飲食店は勿論、家庭でも起こりやすくなりますのでしっかりと対策をしていきましょう。 食中毒は1年を通して起こる健康被害のことで、有害な物質が付着した食品を食べることによって引き起こされます。 主に、細菌性食中毒、ウイルス性食中毒、自然毒食中毒、化学性食中毒という4種類に分けられ、前者の2種類が頻発します。 2025年冬~春時期は、例年より多く食中毒の発生が報告されました。 これは主に、ノロウイルスやロタウイルスというウイルス性による食中毒の報告でした。 食中毒の原因のほぼ半数を占めるノロウイルスは、冬場に活性化します。 秋~冬~春にかけてこのようなウイルス性の食中毒が流行したかと思えば、ラーメン店の原因となったカンピロバクターなどの細菌性の食中毒がこれから流行します。 夏場によく起こる食中毒は、カンピロバクターや大腸菌、サルモネラ菌といった細菌が原因となって引き起こされます。 20℃~50℃で活発に増殖し、特に35℃~40℃で最も増殖が速くなるこれらの細菌は、高温だけでなく高い湿度も大好物です。 例年であれば7月中旬頃から気を付ければよいのですが、本日の名古屋が35度に迫る勢いな上、今は梅雨時期ということもあって多湿が予想されるので、早い対策が望まれます。 細菌性の食中毒を起こさないためには ①冷蔵庫の温度のチェックをする 食品にはそれぞれに適した保存温度があります。 食肉・食肉製品 10℃以下 生鮮果実、野菜 10℃前後 生鮮魚介類 5℃以下 冷凍食品 -15℃以下 冷蔵庫に物を詰めすぎると、適切な温度を保つことが出来ません。 表示温度に常に気を配るようにしましょう。 ②手洗いの徹底 石鹼を使って、爪の間や指の間もしっかりと洗いましょう。流水でしっかりと濯ぐことも忘れずに。 最低でも20秒以上かけて洗うことが推奨されています。 調理前だけでなく、トイレ使用後や生鮮食品を扱う前、その他用事でその場を離れて戻ってきた時など、こまめに洗うことが大事です。 さらに手洗い後にアルコール消毒をするとより良いでしょう。 ③十分に食材を加熱する 75℃で1分以上の加熱を行い、中心部までしっかりと火を通しましょう。 近年低温調理が流行っていますが、その際には70℃で3分以上、または63℃で30分以上の加熱が必要となります。 63℃未満では十分な殺菌ができないので、十分気を付けるようにしてください。 ただ、一部の細菌の中には、加熱後も生き残るものがあります。ウェルシュ菌やセレウス菌がその代表的な菌ですが、ウェルシュ菌は調理後に冷凍・冷蔵することで繁殖を防ぐことができ、セレウス菌は調理後に冷蔵保存または温蔵保存(55℃以上)で防ぐことが出来ます。 どちらも、調理後すみやかに食すことによって発生はほとんど防ぐことができます。 ④調理器具の消毒をする 調理器具の洗浄・消毒を徹底しましょう。 異なる食材を扱うときは、調理器具を分けるとベターです。 飲食店で食中毒発生時の保険は? 飲食店で食中毒が起きた場合、客への補償だけでなく、営業停止処分や風評被害などへの対処も行わなければなりません。 被害に遭ったお客さんへの賠償をカバーするのが「生産物賠償責任保険(PL保険)」です。 扱う会社によってカバー内容や金額が異なりますが、風評被害や営業停止時の補償をしてくれるものもあります。 また、しっかりと説明をすることも風評被害を最小限に食い止めるのに役立ちます。 食中毒の発生は故意ではないため、批判コメントにいら立ってしまうのも最もですが、反論したりせず、説明と被害に遭われたお客さんに対しての謝罪を真摯に行いましょう。 まとめ 年々と暑くなる日本列島。 100年あたり1.4℃年平均気温が上昇しているだけでなく、夏季における猛暑が厳しくなっています。 先日も、運動会を取りやめる小学校や、お祭りを2ヶ月前倒しする自治体などがニュースに取り上げられていました。 夏のあたりまえの風物詩が気候によって変わってしまうというのが実際に起こっています。 年々、気温が上がり暑い期間が長くなる中、熱中症や脳梗塞、心筋梗塞、夏風邪、そして食中毒など、高温によって引き起こされやすくなる健康被害の対策が望まれます。 衛生管理の徹底は勿論、休眠や体調管理を行い、万が一のために保険への加入をおすすめします。 日本の猛暑と上手く付き合って、良い夏を過ごしましょう。
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備蓄米放出で飲食店は救われるのか【店舗の開業なら塊】
政府が備蓄米放出へ こんにちは。 株式会社塊です。 2月に本社を移転した弊社(瑞穂区柳ヶ枝町2-56)ですが、徒歩数十秒の場所にスーパーの「Feel」があります。 お米の棚を覗いてみたところ、お米が切れているようなことはなかったのですが、価格は5㎏で4000円~5000円ほどでした。 いま、コメの高騰が問題となっています。 4月の米価格上昇率は前年同月比で98.4%上昇という結果となりました。つまり2024年4月に2000円だったお米が、2000円×1.984=3968円になったということです。ほぼ倍額になっているということですね。 初春に野菜の高騰が叫ばれていましたが、当時800円程まであがったキャベツも今や150円前後に落ち着いています。 このように、食料品の一時的な高騰は天候などを理由としてよくあることですが、こと米に関してはそうもいきません。 野菜には「旬」がありますが、その旬をビニルハウスや栽培地の気温・気候を生かして、ある程度通年出荷できるようコントロールすることが出来ます。 しかし、米はビニル栽培ができません。 土作り、種まき、育苗、そして5-6月頃の田植え、中干し、稲刈りを9月~10月頃に行います。 このように1年を通して行われる稲作は、品種によって多少のズレはあるものの、秋の時期が収穫時期で、基本的に1年間に1度しか収穫することが出来ません。 そのため、価格の高騰が一時的になるということは少なく、最低1年以上は元の価格に戻るのが難しいです。 そのような状況を鑑みて、5月26日に政府が備蓄米放出をしました。 放出時は「古古古米なんておいしいのか」「なぜここまで対応が遅れたのか」「更に1、2年経つと家畜の飼料になるような米なんて食べられない」といったような不満の声もありましたが、 実際にその恩恵に与った人からは感謝の声や、意外に美味しいとの称賛も聞こえてきます。 しかし、TBSテレビによると、現時点で政府備蓄米を手にすることが出来たのはわずか4%ほどで(6月11日放映分)、ほとんどの人が目にもしていないということでした。 そんな中、6月11日には追加の20万トン備蓄米放出が決定されました。 イオングループなどが追加購入の申請をする中、イトーヨーカドー、ドン・キホーテ、アイリスオーヤマ、楽天などの大手小売店のいくつかは、精米や物流などの課題から申請を見送ったそうです。 苦境に立たされる飲食店 このような米不足、米価格高騰の影響を受けるのは、一般家庭だけではありません。 日々多くの米を消費する飲食店がいま、苦境に立たされています。 帝国データバンクによると、2025年1-5月の間に「弁当店」の倒産が22件確認されました。 これは前年同時期比でも増加しており、過去最多ペースで推移しています。 数年前から続く原油高や円安、ウクライナ情勢による物価高騰、人手不足などもその理由ではありますが、コメ価格の高騰が最後の一押しとなったようです。 また、カレー店の倒産も2024年が13件で過去最多となりました。 カレー店も弁当店もどちらもコメを多く消費することが必須の飲食店です。 また、ご飯おかわり自由の定食屋などがそのサービスを休止したことなどもニュースではよく目にしました。 その一方、パン屋の倒産が激減しています。東京商工リサーチの調査によると、パン屋の倒産件数は2025年1~4月累計で7件でした。 前年同期は13件なので、その差は歴然ですね。 やはりこのような状況から見ても、米価格の高騰は飲食店に少なからず影響を与えているようです。 備蓄米は5月26日の第一弾で2022年産が20万トン、21年産が10万トンが放出されました。 6月11日決定の20万トンと合計すると50万トンに及びます。 日本におけるコメの年間一人当たりの消費量は51.1kg(令和5年度)と言われています。(農林水産省より) つまり、今回の放出分だけで、1000万人の年間消費量に相当します。 日本人の人口が今1.2億ほどなので、全国民に配給したとすると1ヶ月ほどは賄える計算になります。 もちろん備蓄米だけでなく現行の銘柄米も流通しており、備蓄米放出により価格が下がることも期待されます。 備蓄米は足元政策とも揶揄されますが、私たちの普段の食生活で困るようなことは減ってくるかもしれません。 ただ、問題は飲食店などにも十分な量の供給が行われるかどうかということです。 実際、米を原料として作られる味噌や醤油、みりんなどの調味料製造会社や日本酒の酒造会社、米菓製造会社などには十分な量のコメが回ってきていないとの報道があります。 飲食店にも十分な量の供給が期待できるとは言えないのではないでしょうか。 それに加え、古古米や古古古米などの味が落ちる米を店で提供するのか、といった問題もあります。 SNS等では、一般消費者が「店に備蓄米を使用しているかどうか掲示してほしい(その店舗では食事をしたくない)」といったような声を上げており、それを受けて「備蓄米などの古米は使わない」と宣言している飲食店も散見されます。 備蓄米の放出が根本的な解決になるかというと難しいのかもしれません。