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電気やガスの補助金が終了します【店舗の開業なら塊】
6月から電気・ガスの補助金が終了 こんにちは。 株式会社塊です。 ロシアによるウクライナ侵攻に端を発する原油高上昇により、 政府は電気代やガス代などのインフラ料金に対して補助を出していました。 しかし、この補助金が5月末で終了し、6月からは大幅な値上げが予想されます。 ある民間シンクタンクによると、この補助金終了によって、 一家庭につき年間負担増は2万2000円程度、 そして再エネ賦課金の増額は1万円程度といわれています。 つまり年間で約3万2000円の負担が増えることになってしまうのです。 近年の日用品・食料品の物価上昇に加え、賃金の上昇は軽微にとどまっています。 今回のインフラ料金の補助金終了はかなりの痛手になると言っても良いでしょう。 今日は雨で、じめじめですね。そろそろ梅雨が始まります。 梅雨が明けたらすぐ本格的な夏が始まるわけですが、 夏の猛暑に伴ってクーラーなどの空調設備を頻繁に使用することになるので、 電気料金は跳ね上がります。 このタイミングでの補助金終了はそういった事情もあり、厳しいものがあります。 しかしもちろん、この補助金終了を嘆いているのは私たちだけではありません。 飲食店をはじめとする店舗にとっても、大打撃です。 一般家庭よりも多くの電気やガスを使用する飲食店においては、見過ごせない事態です。 電気やガス代の節約方法 6月からのインフラ料金値上げの打撃を少しでも軽くするために、 電気やガス代の節約努力が必至になってきます。 実際に行っているお店を例に、具体的に紹介したいと思います。 ●冷蔵商品を陳列する棚に、ビニールシートを設置 ●冷蔵棚の温度を商品の品質が保てる程度に上げる ●お客さんがいない時間帯には空調設備を弱める ●電球からLEDに変更する ●トイレの電気をセンサー式にする ●ずっと付けっぱなしの火を、お客さんが居ないときは弱めにする(ラーメン店等ずっとスープなどに火をかけた状態を保っている店舗において) ●エアコンのフィルターをこまめに清掃する ●照明の数を減らす ●電光看板をやめて旗の設置に変える ●エアコンの設定温度を夏は高め、冬は低めに設定する ●オープンドアだったが、開閉ドアに変更する ●電子レンジで調理できるものがあれば、火ではなくそちらを積極的に使用する ●アイパッド式のオーダーから、お客さん自身の携帯電話で行ってもらうモバイルオーダーに変更する いかがですか? 実際に取り入れている店舗の例をご紹介することで、 より具体的に節約行動のイメージがついたのではないでしょうか。 ひとつひとつの節約効果はそこまで高くありませんが、複数を組み合わせて継続することで、 大きな違いになってきます。 まもなく暑い夏がやってきます。補助金の終了は3日後に迫っています。 今からぜひ、出来る範囲で対策してみてはいかがでしょうか。
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店舗施工時の工事の音を指摘された!どうしたらいい?【店舗の開業なら塊】
店舗の施工工事はお早めに! こんにちは。 株式会社塊です。 もちろん店舗の業種・業態、規模によりますが、 開業の遅くとも3ヶ月くらいには店舗施工を開始しなければなりません。 施工会社によってはこれでも間に合わないこともあります。 しっかり施工期間は確認して、開業に間に合うようにしましょう。 そこから逆算して、1年~6ヶ月程前には施工会社に連絡をとりましょう。 まずは、数社に連絡して施工の内容や期間、金額、相性などを見ます。 相性?と思うかもしれませんが、相性の良くない施工会社・担当者と良いお店はつくれませんからね。 ここも重要な要素になってきます。 数社の施工会社を比較検討し、決定したら、 コンセプトをもとに内装デザインを考えます。 家具や設備の配置を考えます。 そして、色味やインテリアなどを決めていきましょう。 打合せを重ねたうえで、店舗意匠図・設計図を作成します。(ごく小規模の場合や居抜き物件の場合、作成しない場合もあります) この他にもたくさんの準備を進めていかなければなりません。 また、現場を調査して必要な工事を考えたり、工事工程表を作成する期間も考えると、 オープンに完璧に間に合わせるには、早め早めに行動することが重要になってきます。 弊社は短期工期をモットーに施工を行っておりますので、施工期間が最短2ヶ月で可能ですが、(※規模などによって異なります) もちろんこれは施工会社によって大きく異なります。 また、工事というのは実際にやってみないと分からないことが様々あります。 天気の関係で施工できないこともあります。 このように予定していた工期が伸びる可能性も大いにありますので、 依頼した施工会社と工期をしっかり確認しながら、 オープンの1か月前には施工完了することを目標にしましょう。 店舗施工の工事音、周りから指摘されたらどうする? このように準備して、いざ工事開始! となっても、まだまだ問題が起こる可能性があります。 最もよく問題になるのが工事の「騒音」です。 いま現在、兵庫県で居酒屋施工を行っているのですが、 2週間ほど前にこの現場にて騒音の苦情がありました。 雑居ビルの1階の施工をおこなっているのですが、2階の和食居酒屋さんからのクレームで、 「お昼の営業時間帯には工事を中断してほしい」 というものでした。 工事の騒音と言っても、その施工内容によってレベルが違います。 例えば、電気工事や空調工事の騒音はほぼ出ないと言っていいでしょう。 しかし、特にコンクリートを砕く「はつり」工事や電気のこぎりでの作業になると かなりの音がでます。 このように、出店地域にもよるのですが、工事に騒音問題はついて回ります。 もしその騒音を周囲の住宅やお店から指摘されたら、どのような対応をすればいいのでしょうか? 騒音を出す特定建設作業は、騒音規制法による制限がなされています。 まずこの作業は、夜間には行うことが出来ません。 住宅地での作業の場合はさらに厳しく、午前7時から午後7時までの間とされ、 1日10時間を超える作業も認められていません。 また、その時間内であっても、工事の騒音を85デシベル以下に抑えなければなりません。 これも、地域によってこの上限が異なるので、具体的な制限に関しては市役所に確認しましょう。 この規定騒音の大きさの上限を超えての作業は、法律上または政令や条例上違反にあたりますので、 防音シートで覆うなど対応をしなければなりません。 そうでなくとも、今後付き合っていく近隣のお店や住民との関係性を悪くするわけにはいきませんので、 規定範囲内の時間帯や音の大きさだからと言って、強行することはないようにしましょう。 例えば、先ほど書いたように「お昼の時間帯はやめて欲しい」という要望であれば、 具体的に何時までなのかを双方話し合いのうえ決めて、 その時間帯は避けて施工を行いましょう。 こちらが我慢ばかりして工事が進まない、オープン日に間に合わないことになってしまうのは本末転倒ですが、 話し合いや対策を重ねた上で、周囲と良い関係性を保ちつつ店舗施工をすすめていってくださいね。
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もし「カスハラ」を受けたらどうする?【店舗の開業なら塊】
6割のお店が「カスハラ」経験 こんにちは。 株式会社塊です。 「カスハラ」という言葉を聞いたことがありますか? カスハラ=カスタマーハラスメント、つまりお客さんによる企業・店舗への理不尽な苦情や 予約後連絡なしのキャンセルを行うなどの問題行動のことを指します。 ●従業員に対しての暴力行為 ●従業員に向かってのデブ、ブスなどの暴言 ●ほかの客の目の前で怒鳴りながらクレームを言う ●何度もクレームの電話を嫌がらせのようにする ●土下座を求める ●20人の団体予約をして当日連絡もなしに現れない、登録した電話番号は存在しないものであった ●理由もなく商品や料理の返品・返金を求める ●商品の袋の入れ方がおかしいなど不合理なクレームをつけ、慰謝料を請求する 実際にこのようなカスタマーハラスメントが日々横行しているそうです。 ある調査によると、このカスハラを経験したお店・企業は6割に上るんだとか。 これはなかなか見過ごせない数字です。 お店に打撃があるのは勿論、時には従業員にまで被害が及ぶ場合もあります。 このような状況を鑑みて、東京都はカスハラ防止条例の制定を検討開始しました。 愛知県でも先日、入店拒否などの罰則規定を盛り込んだ条例の制定が要請されました。 知事は今後対応を進めていく様子です。 カスハラを受けた際にとるべき行動 今現在はどの県においても、カスハラ防止条例の制定はされておりません。 まだ規定や罰則がない状況のなか、カスハラを実際に受けた時 一体どのような行動をとればいいのでしょうか? まずは、事前対策から考えていきましょう。 ●カスハラ対応マニュアルを作りスタッフで共有する ●電話に自動音声録音機能を搭載する ●クレームとハラスメントの違いを明確にして共有する ●カスハラなどを相談しやすい組織づくりをする 従業員1人に悩ませることなく、相談できるような体制を作り、 マニュアルなどに沿って皆で対応できるようにしましょう。 ハラスメントの証拠を残すためにも防犯カメラの設置や、 電話に自動音声録音機能を付帯するなどの対策も行ってください。 これらの対策で解決しない場合、警察や弁護士に相談します。 2023年に京都のふぐ料理店において、13人分のコース予約をしたものの 無断キャンセルした男性が逮捕されました。 2019年にも東京の居酒屋において、17人分のコース予約をしたものの 無断キャンセルした男性が逮捕された例もあります。 どちらも「偽計業務妨害罪」という罪に問われています。 つまり、故意に相手を貶めている不適切行為と認められたわけですね。 このように、被害届が受理され実際に逮捕に至るケースも少ないですがあります。 しかしやはり、警察ではドタキャンでの被害届受理はされるものの 捜査に至るほどの問題視はされていないというのが現状です。 まずは弁護士に相談するのがおすすめです。 または、うまくSNSを活用してお客さん側と示談に至った例もあるそうなので、 相手を侮辱や脅迫することなく、上手に活用してみて下さいね。
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内装に役立つ「文様」のはなし【店舗の開業なら塊】
文様の種類あれこれ こんにちは。 株式会社塊です。 今日は内装を考える際に役立つ文様の種類をご紹介します。 知識として知っておくと、内装のアイディアにひろがりが出ると思いますので ぜひ最後まで読んでみて下さい。 和文様 日本の代表的な文様をご紹介します。 ▼市松模様 正方形または長方形を交互に配置したデザインです。 鬼滅の刃の主人公 炭次郎の羽織にも使われており、 一躍有名になりました。 ▼青海波模様 「せいがいは」と読みます。 半円を3つ重ねることにより、波のように見せています。 夏着物や手ぬぐいに使われることが多く、さわやかな印象です。 男性的な印象で、クールな感じでもあります。 ▼麻の葉模様 正六角形または正三角形の幾何学模様です。 名の通り麻の葉がモチーフとなっています。 鬼滅の刃の炭次郎の妹、禰豆子が着用していた着物の柄です。 女性的な印象で、華やかさがあります。 ▼網代模様 「あじろ」と読みます。 杉の皮や竹の皮など木の皮を編んだようなデザインです。 天井などのデザインにも用いられています。 スタイリッシュな印象です。 ▼紗綾模様 「さや」と読みます。 梵字の「卍」を斜めに崩して組み合わせた模様です。 そのため、卍つなぎ や 卍くずし とも呼ばれます。 ふすまや暖簾の柄として良く用いられています。 かっこいい印象になります。 西洋・イスラム文様 お次は西洋諸国とイスラム圏の模様をご紹介します。 ▼アカンサス模様 アカンサス(西洋アザミ)という棘のある多年草植物の葉を図様化した模様です。 西洋の神殿の柱のデザインなどに用いられています。 ウィリアム・モリスがよく用いていたモチーフでもあるので ご存じの方もいるかもしれません。 ▼アラベスク模様 イスラム様式の模様になります。 文字や植物・幾何学図形などをデザイン化したものです。 とても緻密で繊細なデザインで、華やかさもあります。 寺院など建物の外・内装飾によく用いられていました。 現在でも絨毯やタイルなどにデザインされています。 1つ取り入れるだけで華やかな印象になります。 ▼ペイズリー模様 勾玉のような曲線を描く植物をモチーフにした模様です。 19世紀イギリスのペイズリーで流行したことにより、この名がつけられました。 現在でも衣類から絨毯、カーテンなどによく使われています。 まとめ このほかにも、12世紀のヨーロッパで栄えた「ゴシック文様」などがあります。 今でも日本では、ゴシック&ロリータなどとして洋服や装飾品その他にその文様を見ることが出来ます。 緻密で繊細、ゴージャスな印象の模様になります。 イタリアンレストラン、フレンチレストラン、ヨーロッパの雑貨を扱うお店などで 豪華な印象にしたい時は取り入れてみるといいでしょう。 このような文様・模様の知識を知ることで、お店の内装アイディアが広がります。 特に和文様には魔除け・子孫繁栄・事業拡大など 縁起のいい意味が付与されている文様も多いです。 上手く取り入れて、オシャレかつ縁起のいいお店にしましょう!
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おばあちゃんの漬物がなくなる?【店舗の開業なら塊】
食品衛生法が改正されます こんにちは。 株式会社塊です。 2018年に改正食品衛生法が制定され、2021年には施行されました。 経過猶予期間を経て2024年6月1日より本格的に施行されます。 この法律により、漬物やお惣菜、魚介類の加工業を行っている人(業者)の 衛生管理基準が大幅に引き上げられました。 どういった内容なのでしょうか? 見てみましょう。 そもそも食品衛生法は飲食による健康被害を防ぐために制定された法律で、 1947年に公布され、1948年に施行されました。 結構歴史の長い法律なのですね。 2003年に1度改正され、今回が2度目の改正にあたります。 今回の主な改正内容としては、 ①食中毒への対策の強化 ②HACCPに沿った衛生管理の制度化(こちらは少し前にも取り上げていますので、ぜひ一読してみて下さい) ③特定の食品による健康被害の届け出を義務化 ④安全性が認められた材料を使用して作られた、調理器具・容器包装の導入 ➄営業許可制度のほか、営業届出制度を増設 ⑥食品リコールの政府への報告を義務化 ⑦輸出入食品の安全証明の添付 などがあります。 15年ぶりの改正は、かなり厳しいものだと言っていいでしょう。 まず、個人で手作りした漬物やお惣菜の販売は許可制になります。 製造施設基準には、素材を洗うシンク・手指洗浄用シンクを分けることや 家の台所は商品製造として使用することが出来ないこと、 原材料と漬け樽は間仕切り等で分け、別々に保管しなければならないこと などが明記されています。 厳しく細かいレベルで規定がされており、 ある製造所を導入をした人の話では、新規設備費に1000万円かかったのだとか。 道の駅や直売所で良く売られている「おばあちゃんの漬け物」 「農家がつくったお惣菜」「いなかの梅干し」など…。 個人が作った美味しい漬物や梅干しを、これまでは気軽に味わえることが出来ました。 しかし、愛知県のある道の駅責任者によると、 いままで道の駅に漬物等を卸していた50名のうち 6月1日以降も継続する人はなんと3名だとか…。 今後は気軽に「ふるさとの味」を手に入れることは難しいのかもしれません。 飲食店・小売店への影響は? 今回、対象となる特定業種として、 「漬物製造業」「惣菜製造業」「魚介類加工業」「液卵製造業」が挙げられています。 魚介類製造業とは、干物、切り身などの販売だけでなく、 ちくわやかまぼこなどの魚介加工食品販売も含まれます。 液卵とは、卵を割って、 ・卵殻を取り除いたもの ・卵黄又は卵白を分離して取り出したもの ・卵黄及び卵白を混合したもの ・上記に加熱又は加糖したもの と定義されています。加熱しても卵殻が付いていなければ液卵扱いなので注意が必要です。 液卵製造業とは、この液卵を製造し、製菓メーカーや食品メーカーに卸している業者のことです。 魚介類加工業や液卵加工業はそもそも個人で行うというのは難しく、 すでに事業化して製造所を設けているところも多いので、あまり問題はないでしょう。 しかし、漬物製造や惣菜製造は個人や小規模事業者が多くを占めます。 そのようなところから仕入れていた飲食店や販売小売店は、 相手側が製造所を新規に設置もしくは基準通りの設備を新たに揃え、許可を得ない限りは 今後仕入れることが出来なくなります。 当たり前のように定食につけていた漬物が、 仕入れ先を変えなければつけれなくなるかもしれないのです。 アンテナショップや地場のものを販売する小売店は、大打撃ですよね。 何より伝統の味、故郷の味が消えてしまうのではないかという懸念があります。 食の伝統を守りながらも、安全性も確保できるような道を目指したいものです。
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飲食店の倒産から学ぶ成功術【店舗の開業なら塊】
飲食店倒産数が過去最高に こんにちは。 株式会社塊です。 帝国データバンクによる2023年度の飲食店倒産件数が発表されました。 2023年度、つまり2023年4月~2024年3月までの倒産件数になります。 その倒産数はなんと802件! これはコロナ禍の大打撃を受けた2019年の784件を上回り、過去最高数になります。 業態別の件数を見ると、最も倒産数が多かったのは「酒場・ビヤホール」で207件。 いわゆる居酒屋と呼ばれる業態のお店です。 次は「中華料理店、その他の東洋料理店」で130件。 ラーメン店もここに含まれます。 その他の東洋料理店には韓国料理やタイ料理、ベトナム料理などが含まれます。 そして「西洋料理店」が90件、「バー、キャバレー、ナイトクラブ」が72件と続きます。 深夜営業帯の「酒場・ビヤホール」と「バー、キャバレー、ナイトクラブ」が全体の34.8%を占めていることから やはり飲酒を伴う飲食店が打撃を受けているようです。 もうマスクを着用する人も少なくなり、新型コロナウイルスが5類に移行して1年経つのに? 外食産業売上高が2019年比を上回っているとの発表もあったばかりでなぜ? と思われる方も少なくないのではないでしょうか。 このような暗いニュースを聞くと、飲食店開業を尻込みしてしまうという方もいるでしょう。 しかし、なぜ倒産したのかを紐解いていけば、 その失敗の中から成功するための鍵を見つけることが出来ます。 なぜ、このように倒産件数が重なってしまったのでしょうか。 2023年の飲食店倒産理由を知ろう 2019年度の飲食店倒産件数が2018年度比で大きく増加した理由は、 やはり新型コロナウイルスによるものです。 2019年12月初旬に初めてニュースに取り上げられた新型コロナウイルスは、 2020年1月2月のダイアモンドプリンセス号での船内感染がドラマティックに報道されたこともあり 日本中を混乱に陥れる原因となりました。 4月には緊急事態宣言が発表され、飲食店は悪者のように騒ぎ立てられましたよね。 しかし、コロナ禍中のゼロゼロ融資や協力金・補助金などによって持ち直し、 2022年度の飲食店倒産件数は514件ほどに抑えられていたのです。 ではこの2023年度の倒産件数が増加した理由は何だったのでしょうか? ①コロナ禍での融資の返済が始まった ②物価、人件費の上昇 ③人材の不足 このような理由が主に考えられます。 ①コロナ禍での融資返済の開始 2020年3月に開始された実質無利子・無担保での貸し付け「ゼロゼロ融資」の返済が始まっています。 2023年7月から本格的に始まったこの返済ですが、いま正にピークを迎えており 苦しんでいる飲食店が多いようです。 そのような状況を見て政府は、借り換え保証などの資金繰り政策を6月末までに延長しました。 しかし、これも焼け石に水のような状態です。 融資による自転車操業化していた飲食店が多い中、 返済が始まってしまえば閉店に追いやられるのは自明の理ですね。 ②物価、人件費の上昇 こちらは言わずもがなです。 今や値上げのニュースを聞かない日はないくらい、 毎月のようにありとあらゆるものが値上げしていますよね。 先日スーパーに行ったら、キャベツが1玉400円して驚きました。 1000円で買えたコスパが良いと言われていたワインは1800円になっており、 複雑な気持ちです。 それに伴って最低賃金も上昇しました。 燃料の補助金もまもなく終了するようで、ただでさえ高くなったガソリンが 今後さらに高くなり、200円台になるかもしれないんだとか…。 燃料の値段が上がれば、車や船・飛行機などの輸送コストも勿論上がります。 ③人材の不足 IT業界や建設業界、運送業界でずっと叫ばれている人材の不足ですが、 飲食店における人材の不足もかなり深刻です。 飲食店における有効求人倍率(1人の求職者あたり何件の求人があるか)は 2.48倍となっており、なかなか人を集めづらい状況となっています。 実際に後継者がいない・バイトなど働く人が居ないという理由で閉業を考えた店舗も出てきています。 倒産理由から学ぶ成功術 2023年度における主な倒産理由は上記のようです。 では、このような状況を回避するためにはどのような手を打てばいいのでしょうか。 まず、①に関してです。 飲食店を開業するのには思ったよりもお金がかかります。 開業時には融資を受けることを考えている方も多いでしょう。 それは問題ないのですが、開業後にも借り続けているというのは問題です。 支出が多すぎるのか、利益が少なすぎるのかどこに問題があるかを見極めて 軌道修正していかなければなりません。 いまは手書きで帳簿付けしなくとも、優秀な経理ソフトが登場しています。 そういうものを活用して、どんぶり勘定にならないようにしましょう。 次に、②に関してです。 こちらは、メニュー価格決定の際に単価をきちんと考えることです。 「値上げ」というのはあまり印象が良くないですし、既存の顧客を失うことになるかもしれません。 最初から原材料費高を単価に反映させて、価格決定を行っていってください。 また、人件費に関しては、最初はワンオペで運営できる小さい飲食店の開業をするなど 業態を変えるというのも手です。 正社員は雇わず、アルバイトのみでの運営にすることも人件費を抑える一つの方法です。 そして③です。 こちらは上記にあげたように、ワンオペ飲食店の経営に業態変化をする、 開業前に一緒に働く相手を見つけておくなどが根本的な解決方法になります。 他の対処方法としては、 求人にお金をかける、求人サイトだけでなくSNSなど沢山の媒体に掲載すること などが挙げられますが、こちらはどうしても運任せになってしまいます。 また、1番確実に人手を確保できるのは縁故採用になるので、スタッフとの信頼関係を築いて、 友人知人を紹介してもらうというのも手です。 このように、失敗から学べる事前の対処法は様々あります。 倒産件数が多いということは、ライバルが減っているということの裏返しにもなるので 実は開業のチャンスでもあるのです。 ぜひ他人の失敗から沢山学んで、チャレンジしてみて下さいね!