2024.09.20
10月の範囲拡大前に!いまさら聞けない社会保険【店舗の開業なら塊】
社会保険ってなに?
こんにちは。
株式会社塊です。
「10月から社会保険の適用範囲が拡大するよ~~~、
事業者の皆さんは注意してね!」
最近こんなCMが流れるようになりましたね。
令和2年の年金制度改正により、令和6年10月から
従業員数が51人から100人の企業で働く短時間労働者(アルバイト・パートなど)
が新たに社会保険の適用対象になります。
従業員数101人~と定められていた制限が引き下げられるということです。
そもそも「社会保険」とは何なのでしょうか?
会社にお勤めの方は毎月当たり前のようにお給料から天引きされているので
意外にそれがなにかを意識していない方も多いのです。
この機会に社会保険とはなにかを今一度確認してみましょう。
「社会保険」とは会社員や公務員など働く人たちが
強制的に加入しなければならない公的な保険制度です。
これは任意ではなく義務なので、一部例外を除いて労働者は必ず加入しなければなりません。
保険者として運営するのは国や公的な機関。
その保険者に対して保険料を支払うのは労働者である私たち従業員と企業です。
そんな社会保険ですが、これは5つの保険の総称を指します。
①健康保険
企業と従業員が折半して負担します。
業務外で病気やケガをした際に保障される医療保険のことです。
今もお財布に入っているはずです。一番馴染みがあるのではないでしょうか。
②厚生年金保険
企業と従業員が折半して負担します。
いわゆる年金のことです。65歳になったら支給されます。
20歳以上の全員が加入しなければならない国民年金保険はここに含まれています。
③介護保険
企業と従業員が折半して負担します。
こちらは40歳以降の加入が義務付けられています。
介護が必要となった際に、介護サービスを受けられる保険です。
④労災保険
全額企業が負担します。
業務上または通勤時において病気やケガをした際に保障される医療保険のことです。
死亡時には遺族のためにも保険給付を行います。
➄雇用保険
企業と従業員が負担しますが、企業の方が負担額が大きいです。
失業時などの保障がされる保険です。
この5つの保険をまとめて社会保険とよび、
代表取締役をはじめとした役員、従業員、一部のアルバイトやパート、
働くすべての人が加入します。
法律においては、厚生年金保険法によって規定されています。
10月からの範囲拡大で何が変わる?
冒頭にも記しましたが、来月より社会保険制度の適用範囲が拡大されます。
どのような変更点があるのでしょうか。
お店を経営する方、自分にも関わりのあることかもしれません。
きちんと把握しておきましょう。
現行の制度では、パートやアルバイトは
以下の条件を満たす際に社会保険への加入が義務付けられています。
① 従業員が101人以上であること
② 週の所定労働時間が20時間以上であること
③ 所定内賃金が月額8.8万円以上であること
④ 2カ月を超える雇用の見込みがあること
⑤ 学生ではないこと
この①が10月以降以下のようになります。
① 従業員が101人以上であること
①従業員が51人以上であること
社会保険適用者が増えると一番困るのは企業です。
なぜなら企業の社会保険負担額が大きくなるから。
極端な話ですが、
例えば代表者1人とアルバイト50人で回しているお店があったとしましょう。
そのうち30人は上記の②~➄の社会保険加入条件を満たしてるとします。
その場合、今まで社会保険料はその代表者の1人分を支払えばよかったのです。
しかし、来月からは31人分の社会保険料を支払わなければならなくなります。
どれだけ負担額が増えるのでしょうか。考えたくもないほどです。
従業員にしてみても、お給料が社会保険料分天引きされるようになるので、
手取り額はぐっと下がります。
しかし、メリットもあります。
まず、出産手当金や傷病手当金が得られます。
出産や傷病に伴う休業期間中の手当てを受け取ることが出来ます。
さらには、国民年金以外にも厚生年金分の年金を
65歳になった時に受け取ることが出来ます。年金額が増えるということです。
悪いことばかりではありませんが、事業者・従業員ともに理解を得ることは難しそうです。
事業者としては、離職を防ぐために
いままでの手取り額と変わらない給与を支給することを考えなければなりませんが、
人件費をいたずらに増やすことになるため中々そうもいきません。
まずは自分が、自分の運営する会社や店が今回の制度変更に該当するのか確認し
どのような方針をとるのか決めなければなりません。
方針を決めたら、以下のような計画に沿って行動しましょう。
出典:「社会保険の適用が拡大!従業員数51人以上の企業は要チェック」
まだまだ暑い日が続きますが10月までもう僅か。
早め早めの行動をしていってくださいね。