2024.10.22
無人販売が消えるワケ【店舗の開業なら塊】
無人販売が爆増!その背景にあったもの
こんにちは。
株式会社塊です。
つい先日弊社のすぐそばにある無人販売「餃子の雪松」様が閉店しました。
私はここの餃子の味が大好きで、仕事帰りによく買って帰っていたため、
この閉店はかなりショックな出来事でした。
コロナ禍で爆発的に増えたこうした無人販売店舗がいま軒並み閉店していっています。
一体何が起きているのでしょうか。
餃子無人販売店は2020年度にはわずか全国で131店舗しかありませんでしたが、
2023年7月末時点では約1400店舗にまで店舗数を伸ばしました。(帝国データバンクによる)
この増加には、言うまでもなく
コロナ禍によるテイクアウト・家食の需要が増えたことが背景にありますが
それだけでなく無人販売店という参入障壁の低さもその一因となっています。
無人販売店舗はどれほど参入障壁が低いのか、実際に開業シミュレーションをしてみましょう。
必要なものはとてもシンプルで、
①店舗
キャパシティはせいぜい5~10坪ほどでしょうか。
それほど広さは必要ありません。
また、都心部に立地している必要もありません。むしろ郊外の方がいいでしょう。
そのため家賃は低く抑えられます。
②内装
ごくシンプルなもので、清潔感があれば問題ないでしょう。
その空間でお客さんが過ごすわけではないからです。
居抜き物件である程度綺麗であれば手を加えなくていいかもしれません。
③セキュリティシステム
ここが一番お金がかかるところです。
一時期無人販売店における窃盗被害の報告がよくされていましたが
ここが有人店舗とは違い、一番対策しなければならない問題です。
防犯カメラや警報システムなどをしっかりと準備したいところです。
④冷凍庫や冷蔵庫
商品を保管するための冷蔵庫や冷凍庫です。
業務用の大きなものがいいでしょう。
今は月々のリースで10,000円~借りることもできます。
➄商品
餃子や馬肉、ラーメンなど…商品を用意します。
冷凍商品なのでほぼ廃棄は出ないと思ってもらって大丈夫です。
いかがでしょうか。
上記に加えて従業員を雇う必要もなく、予約など電話を受ける必要もありません。
かなり開業ハードルが低いことを分かっていただけたかと思います。
おそらく開業費用も100万円~200万円ほどで済むのではないかと思います。
いま無人販売が街から消えているワケ
さてそんな無人販売店舗が今どんどんと街から消えていっています。
その理由としては2つ考えられます。
(1)店舗数が増えすぎた
ここ3年で10倍ほど店舗数を増やした無人販売店舗。
店舗数が増加すれば競争が激化するのは必至です。
ここ最近の閉店はある意味自然な流れなのかもしれません。
(2)テイクアウトなど家食の需要が落ち込んだ
withマスク、ソーシャルディスタンス、3密、自粛警察…
最近ではめっきり聞かなくなったこれらの言葉、すべてコロナ禍に登場した新語です。
飲食店は悪、外食は悪とされていたこの数年間でテイクアウト店舗が爆発的に増加し、
日本では普及しないのではと思われていたUberEatsが大流行しました。
しかしそれも今や過去の話。
外食に抵抗があるという人は今やほぼいないのではないでしょうか。
家食の需要が落ち込めば、無人販売店舗の需要も比例して落ち込みます。
また、無韻販売店では基本的に冷凍食品を販売しており、日持ちが効くため
少ない買い物回数で済むということも人気を博した理由の一つですが
こちらも最早気にする人はいないでしょう。
人々の消費行動は社会情勢を受けて、通常緩やかに変化するものですが、
ここ数年は数ヶ月、数年単位での変化が激しいです。
その変化の1つ、無人販売店という消費ブームが
もう終わったということが言えるのではないでしょうか。
飲食店の開業で最も人気があるのはカフェやバーです。
なぜなら参入障壁が低いから。
どちらも大きなスペースが必要なく、提供商品の知識や技術もあまり必要なく、
人件費も抑えることができます。
しかし、一方で閉業率が一番高いのもカフェやバーとなっています。
簡単に参入できるビジネスは簡単に辞められてしまう…
これらの業態の開業を考えるならば「独自のウリ」が必要になります。
コンセプト段階からしっかりと考えて、成功させていってくださいね。