2025.06.13

備蓄米放出で飲食店は救われるのか【店舗の開業なら塊】

政府が備蓄米放出へ

こんにちは。

株式会社塊です。

 

2月に本社を移転した弊社(瑞穂区柳ヶ枝町2-56)ですが、徒歩数十秒の場所にスーパーの「Feel」があります。

お米の棚を覗いてみたところ、お米が切れているようなことはなかったのですが、価格は5㎏で4000円~5000円ほどでした。

いま、コメの高騰が問題となっています。

4月の米価格上昇率は前年同月比で98.4%上昇という結果となりました。つまり2024年4月に2000円だったお米が、2000円×1.984=3968円になったということです。ほぼ倍額になっているということですね。

初春に野菜の高騰が叫ばれていましたが、当時800円程まであがったキャベツも今や150円前後に落ち着いています。

このように、食料品の一時的な高騰は天候などを理由としてよくあることですが、こと米に関してはそうもいきません。

野菜には「旬」がありますが、その旬をビニルハウスや栽培地の気温・気候を生かして、ある程度通年出荷できるようコントロールすることが出来ます。

しかし、米はビニル栽培ができません。

土作り、種まき、育苗、そして5-6月頃の田植え、中干し、稲刈りを9月~10月頃に行います。

このように1年を通して行われる稲作は、品種によって多少のズレはあるものの、秋の時期が収穫時期で、基本的に1年間に1度しか収穫することが出来ません。

そのため、価格の高騰が一時的になるということは少なく、最低1年以上は元の価格に戻るのが難しいです。

 

そのような状況を鑑みて、5月26日に政府が備蓄米放出をしました。

放出時は「古古古米なんておいしいのか」「なぜここまで対応が遅れたのか」「更に1、2年経つと家畜の飼料になるような米なんて食べられない」といったような不満の声もありましたが、

実際にその恩恵に与った人からは感謝の声や、意外に美味しいとの称賛も聞こえてきます。

しかし、TBSテレビによると、現時点で政府備蓄米を手にすることが出来たのはわずか4%ほどで(6月11日放映分)、ほとんどの人が目にもしていないということでした。

そんな中、6月11日には追加の20万トン備蓄米放出が決定されました。

イオングループなどが追加購入の申請をする中、イトーヨーカドー、ドン・キホーテ、アイリスオーヤマ、楽天などの大手小売店のいくつかは、精米や物流などの課題から申請を見送ったそうです。

 

苦境に立たされる飲食店

このような米不足、米価格高騰の影響を受けるのは、一般家庭だけではありません。

日々多くの米を消費する飲食店がいま、苦境に立たされています。

 

帝国データバンクによると、2025年1-5月の間に「弁当店」の倒産が22件確認されました。

これは前年同時期比でも増加しており、過去最多ペースで推移しています。

数年前から続く原油高や円安、ウクライナ情勢による物価高騰、人手不足などもその理由ではありますが、コメ価格の高騰が最後の一押しとなったようです。

また、カレー店の倒産も2024年が13件で過去最多となりました。

カレー店も弁当店もどちらもコメを多く消費することが必須の飲食店です。

また、ご飯おかわり自由の定食屋などがそのサービスを休止したことなどもニュースではよく目にしました。

その一方、パン屋の倒産が激減しています。東京商工リサーチの調査によると、パン屋の倒産件数は2025年1~4月累計で7件でした。

前年同期は13件なので、その差は歴然ですね。

やはりこのような状況から見ても、米価格の高騰は飲食店に少なからず影響を与えているようです。

 

備蓄米は5月26日の第一弾で2022年産が20万トン、21年産が10万トンが放出されました。

6月11日決定の20万トンと合計すると50万トンに及びます。

日本におけるコメの年間一人当たりの消費量は51.1kg(令和5年度)と言われています。(農林水産省より)

つまり、今回の放出分だけで、1000万人の年間消費量に相当します。

日本人の人口が今1.2億ほどなので、全国民に配給したとすると1ヶ月ほどは賄える計算になります。

もちろん備蓄米だけでなく現行の銘柄米も流通しており、備蓄米放出により価格が下がることも期待されます。

備蓄米は足元政策とも揶揄されますが、私たちの普段の食生活で困るようなことは減ってくるかもしれません。

 

ただ、問題は飲食店などにも十分な量の供給が行われるかどうかということです。

実際、米を原料として作られる味噌や醤油、みりんなどの調味料製造会社や日本酒の酒造会社、米菓製造会社などには十分な量のコメが回ってきていないとの報道があります。

飲食店にも十分な量の供給が期待できるとは言えないのではないでしょうか。

それに加え、古古米や古古古米などの味が落ちる米を店で提供するのか、といった問題もあります。

SNS等では、一般消費者が「店に備蓄米を使用しているかどうか掲示してほしい(その店舗では食事をしたくない)」といったような声を上げており、それを受けて「備蓄米などの古米は使わない」と宣言している飲食店も散見されます。

備蓄米の放出が根本的な解決になるかというと難しいのかもしれません。

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