2024.08.21
「経費で落とす」ってなに?【店舗の開業なら塊】
よく聞く「経費で落とす」とは?
こんにちは。
株式会社塊です。
私が大学生の時分、人材育成会社を経営する人と出会う機会がありました。
そしてある日、その方と食事する機会を設けていただくことに。
今後の将来やビジネスの話などを聞き、勉強になったので御礼を述べ帰ろうとしたその時、
その方がレジでこう言いました。
「領収書ください。」
そして、料金を支払おうとする私たちに対して、
「経費で落とすからいいよ」と続けました。
当時は領収書や経費の意味をあまりよく分かっておらず、
なんだかかっこいいな…自分も言えるようになれたらな…という感想を持ったものです。
では「経費で落ちる」とは一体どのような意味で、仕組みなのでしょうか。
まず、言葉の意味から確認しましょう。
「経費」とは、事業で使用するお金のことです。
経費は業種によってその内容が異なってきます。
例えば、運送業の主経費は人件費、燃料などの運行費や車両費、保険料です。
飲食業の主経費は人件費、広告宣伝費、内装設備費、仕入れ費などです。
スーパーで購入した食材費を運送業の人は経費計上することができません。
しかし、飲食業の人はそれが仕入れ材料である限り、計上することが可能です。
このように、営む業種によって経費の範囲が異なってきます。
次に、「落とす」ですが、これは「計上する」という意味です。
つまり「経費で落とす」とは、
仕事のために実際に使ったお金(経費)を費用として帳簿に計上する(落とす)ということです。
経費で落とすとお得なの?
少し話を戻しましょう。人材育成会社社長の、仮にAさんとします。
Aさんは経費で落とすと言いましたが、
大学生の私たちとの食事は仕事に使ったお金ではないので、経費に計上していいのかはグレーです。
しかし、将来の人材獲得の意図があったかもしれないので、
そう考えると会食費として計上しても問題はないかもしれません。
このように経費には曖昧で、その判断を事業主に委ねられているような部分もあります。
では、次に、「経費で落とすからいいよ」の意味を考えましょう。
経費計上をすると何が「いいよ」なのでしょうか?
その場ではAさんから飲食店に対して金銭の支払いが行われているのは事実であり、
Aさんは自分の食事以上のお金を支払い、損したような形に見えます。
しかし実は経費計上をすることによって、この支払いがなかったことに出来るかもしれないのです。
どのような仕組みなのでしょうか?
会社は、事業の経営を行い利益を生み出します。
そして、その利益に対しては等しく税金の支払い義務が生じます。
「折角頑張って経営したのに、税金でこんなに持っていかれるのか…」
経営者の方は皆さんこんな風に嘆きます。
しかし、その支払額を抑える方法がたった1つあります。
それは 利益を少なくすること。
そう聞くと、会社を、事業を縮小した方が良いように聞こえるかもしれませんが、
そうではなく、経費つまり費用(支出)を増やして、帳簿上の利益を少なくしましょうという話です。
例えば、200万円の利益に対して法人税が15%かかるとしましょう。
決算期が訪れたら、その会社は30万円を国に納めます。
ではこの利益が100万円だったらどうでしょうか。
ある一定のラインまでは法人税率が同じなので、こちらにも15%かかります。
つまり納める額は15万円になりますね。
税金額が半額になるのは嬉しいですが、実際の利益が半分になってしまうのは問題です。
しかし、本当は200万円ある利益を100万円に「目減り」させて、税金支払額を抑える方法があります。
それが先ほどから言っている「経費を多く計上する」ことなのです。
Aさんの会社の利益が100万円だったとしましょう。
そこでAさんは私たちとの食事代5万円を経費として計上することにしました。
計上することによってAさんの会社の利益は95万円に目減りしました。
100万円の15%税金額は15万円で、95万円の15%税金額は14万2500円なので、
Aさんは少しだけ節税が出来ましたね。
わたしたちと行ったレストランに実際には5万円払いましたが、
税金で7500円分得したので、Aさんの手出しは実質4万2500円になったのです。
このように単純な話ではなく、もう少し実際は複雑ですが
このように経費を積み重ねていくと、節税に繋がるのは間違いありません。
レストランに支払った金額分くらいが実質無料になることもあるので
「経費で落とすからいいよ」
という発言が出てくるわけですね。
税金で納めるくらいならば、会食に使おうというわけです。
スーパーや百貨店などでおこなう「利益還元セール」などもそうですね。
税金で納めるくらいならば、お客さんに対して使ってしまおうということですね。
それによって更なる今後のリピート・集客が見込めるので、
行わない手はありません。
経費の種類は多岐に渡り、外食費だけでなく衣装代や差入れ代なども経費で落ちる場合があります。
個人の生活費用として捉えられてしまう費用はなかなか計上が難しい場合もありますが、
上手く利用して、節税を行いましょう!
どんな場面であっても領収書を貰うのはお忘れなく!