2024.05.23
飲食店の倒産から学ぶ成功術【店舗の開業なら塊】
飲食店倒産数が過去最高に
こんにちは。
株式会社塊です。
帝国データバンクによる2023年度の飲食店倒産件数が発表されました。
2023年度、つまり2023年4月~2024年3月までの倒産件数になります。
その倒産数はなんと802件!
これはコロナ禍の大打撃を受けた2019年の784件を上回り、過去最高数になります。
業態別の件数を見ると、最も倒産数が多かったのは「酒場・ビヤホール」で207件。
いわゆる居酒屋と呼ばれる業態のお店です。
次は「中華料理店、その他の東洋料理店」で130件。
ラーメン店もここに含まれます。
その他の東洋料理店には韓国料理やタイ料理、ベトナム料理などが含まれます。
そして「西洋料理店」が90件、「バー、キャバレー、ナイトクラブ」が72件と続きます。
深夜営業帯の「酒場・ビヤホール」と「バー、キャバレー、ナイトクラブ」が全体の34.8%を占めていることから
やはり飲酒を伴う飲食店が打撃を受けているようです。
もうマスクを着用する人も少なくなり、新型コロナウイルスが5類に移行して1年経つのに?
外食産業売上高が2019年比を上回っているとの発表もあったばかりでなぜ?
と思われる方も少なくないのではないでしょうか。
このような暗いニュースを聞くと、飲食店開業を尻込みしてしまうという方もいるでしょう。
しかし、なぜ倒産したのかを紐解いていけば、
その失敗の中から成功するための鍵を見つけることが出来ます。
なぜ、このように倒産件数が重なってしまったのでしょうか。
2023年の飲食店倒産理由を知ろう
2019年度の飲食店倒産件数が2018年度比で大きく増加した理由は、
やはり新型コロナウイルスによるものです。
2019年12月初旬に初めてニュースに取り上げられた新型コロナウイルスは、
2020年1月2月のダイアモンドプリンセス号での船内感染がドラマティックに報道されたこともあり
日本中を混乱に陥れる原因となりました。
4月には緊急事態宣言が発表され、飲食店は悪者のように騒ぎ立てられましたよね。
しかし、コロナ禍中のゼロゼロ融資や協力金・補助金などによって持ち直し、
2022年度の飲食店倒産件数は514件ほどに抑えられていたのです。
ではこの2023年度の倒産件数が増加した理由は何だったのでしょうか?
①コロナ禍での融資の返済が始まった
②物価、人件費の上昇
③人材の不足
このような理由が主に考えられます。
①コロナ禍での融資返済の開始
2020年3月に開始された実質無利子・無担保での貸し付け「ゼロゼロ融資」の返済が始まっています。
2023年7月から本格的に始まったこの返済ですが、いま正にピークを迎えており
苦しんでいる飲食店が多いようです。
そのような状況を見て政府は、借り換え保証などの資金繰り政策を6月末までに延長しました。
しかし、これも焼け石に水のような状態です。
融資による自転車操業化していた飲食店が多い中、
返済が始まってしまえば閉店に追いやられるのは自明の理ですね。
②物価、人件費の上昇
こちらは言わずもがなです。
今や値上げのニュースを聞かない日はないくらい、
毎月のようにありとあらゆるものが値上げしていますよね。
先日スーパーに行ったら、キャベツが1玉400円して驚きました。
1000円で買えたコスパが良いと言われていたワインは1800円になっており、
複雑な気持ちです。
それに伴って最低賃金も上昇しました。
燃料の補助金もまもなく終了するようで、ただでさえ高くなったガソリンが
今後さらに高くなり、200円台になるかもしれないんだとか…。
燃料の値段が上がれば、車や船・飛行機などの輸送コストも勿論上がります。
③人材の不足
IT業界や建設業界、運送業界でずっと叫ばれている人材の不足ですが、
飲食店における人材の不足もかなり深刻です。
飲食店における有効求人倍率(1人の求職者あたり何件の求人があるか)は
2.48倍となっており、なかなか人を集めづらい状況となっています。
実際に後継者がいない・バイトなど働く人が居ないという理由で閉業を考えた店舗も出てきています。
倒産理由から学ぶ成功術
2023年度における主な倒産理由は上記のようです。
では、このような状況を回避するためにはどのような手を打てばいいのでしょうか。
まず、①に関してです。
飲食店を開業するのには思ったよりもお金がかかります。
開業時には融資を受けることを考えている方も多いでしょう。
それは問題ないのですが、開業後にも借り続けているというのは問題です。
支出が多すぎるのか、利益が少なすぎるのかどこに問題があるかを見極めて
軌道修正していかなければなりません。
いまは手書きで帳簿付けしなくとも、優秀な経理ソフトが登場しています。
そういうものを活用して、どんぶり勘定にならないようにしましょう。
次に、②に関してです。
こちらは、メニュー価格決定の際に単価をきちんと考えることです。
「値上げ」というのはあまり印象が良くないですし、既存の顧客を失うことになるかもしれません。
最初から原材料費高を単価に反映させて、価格決定を行っていってください。
また、人件費に関しては、最初はワンオペで運営できる小さい飲食店の開業をするなど
業態を変えるというのも手です。
正社員は雇わず、アルバイトのみでの運営にすることも人件費を抑える一つの方法です。
そして③です。
こちらは上記にあげたように、ワンオペ飲食店の経営に業態変化をする、
開業前に一緒に働く相手を見つけておくなどが根本的な解決方法になります。
他の対処方法としては、
求人にお金をかける、求人サイトだけでなくSNSなど沢山の媒体に掲載すること
などが挙げられますが、こちらはどうしても運任せになってしまいます。
また、1番確実に人手を確保できるのは縁故採用になるので、スタッフとの信頼関係を築いて、
友人知人を紹介してもらうというのも手です。
このように、失敗から学べる事前の対処法は様々あります。
倒産件数が多いということは、ライバルが減っているということの裏返しにもなるので
実は開業のチャンスでもあるのです。
ぜひ他人の失敗から沢山学んで、チャレンジしてみて下さいね!