2025.05.27
飲食店のワンオペ営業が主流になる?【店舗の開業なら塊】

「ワンオペ営業」とは
こんにちは。
株式会社塊です。
先日、ショッピングモール内のレモネードやさんに行ったら、店員さんが一人でお店を回していました。
レジでの注文やお会計、レモネードやソフトクリーム作りなどを土日の混むであろう時間帯に一人で回していたため、行列が出来ていました。
最近は牛丼チェーン店などの深夜営業でも、一人で働いている店員さんを見かけますよね。
このように、一人の従業員が全ての業務(調理、接客、清算など)をこなす営業形態のことをワンオペ営業と言います。
他の職種ではあまり見ませんが、飲食店、特にチェーン店ではよく見られます。
チェーン店は調理の工程や接客がマニュアル化されているところが多く、ある程度のレベルが期待できるので、わざわざ業務別に人を雇う必要がありません。
もちろん、人が一人でさばくことができる客数には限界があるので、その範囲を逸脱しない場合においてですが。
上のレモネード店は明らかに無理なワンオペ営業だったので、顧客満足度も、従業員満足度もおそらく下がることでしょう。
ワンオペ営業の際にはそのあたりの見極めが重要になります。
増える飲食店の「ワンオペ営業」
株式会社シンクロフードが行った調査によると、3年以内に新規飲食店の出店を考えている人の約55%がワンオペでの営業形態を考えているそうです。
引用元:【飲食店リサーチ】
飲食店ドットコム(株式会社シンクロ・フード)「飲食店の新規出店についてアンケート調査」
その理由として主に挙げられているのは、
●人手不足だから
●人件費をかけたくないから
●最初から少人数での運営を検討しているから
というもの。
昨今の人手不足や物価高・人件費高上昇を背景に、そもそも小規模のお店で少人数での運営を考えているという人も多いようです。
中には、「自由度の高いお店がやりたいから」や「すでに一人でも回るシステムが構築できているから」などの意見も。
日本は、諸外国と比べても高い高齢者比率となっており、2007年には高齢者人口が総人口の21%を超える「超高齢社会」となりました。
2024年には高齢者の占める割合が29.3%となり、今年2025年には3割を超えると予測されています。
更に進んで2060年には約40%ほどとなり、3人に1人は65歳以上の高齢者となるとされています。
すでに人手不足に悩む企業・店舗も多い中、人材不足は深刻な問題となっています。
また、物価高・人件費高の上昇も問題となっています。
物価は消費者物価指数をみるとその上昇率を見ることが出来ます。
2023年に前年比2.8%上昇した消費者物価指数(CPI)は、2024年12月にはさらに前年比3.0%上昇しました。
ここ3年連続の上昇となっています。
人件費は、最低賃金の推移などに見ることが出来ます。
全国加重平均でみたとき、2015年度は801円だった最低賃金は、2024年度は980円となり、179円の上昇となりました。
つまりここ10年で約22%の上昇となります。すごい上げ幅ですね。
確かに、これらを背景に考えたときに、簡単に雇用を増やすというのは難しいでしょう。
ワンオペ営業は今後のスタンダードとなっていくかもしれませんね。
実際には、無理なワンオペ営業が通されていることもあります。
この場合は、店舗にとっても顧客にとってもデメリットしかありません。
しっかりと一人でも回るようなシステムを構築し、キャパシティを見極めながら「ワンオペ営業」について考える必要があるでしょう。