2024.06.26
賞味期限管理のデジタル化は必要か【店舗の開業なら塊】
店舗業務におけるデジタル化の状況
こんにちは。
株式会社塊です。
ここ数年にかけて、世界的にデジタル化がものすごいスピードで推し進められています。
インターネットが普及し、スマートフォンが登場するまでには時間がかかりましたが、
それ以降は目にも止まらない速さで進歩しています。
いまや私たちはデジタルの恩恵なしでは暮らしていけなくなりました。
デジタル情報によって導き出された天気予報を参考に衣服を決め、
その衣服や手に持っている傘の製作にはデジタル技術が用いられ、
デジタル制御された車に乗り、SNSで連絡を取り、電子マネーでお金を払います。
このように身の回りにはさまざまな「デジタル」があふれているのですが、
こと「仕事」に関してはあまりデジタル化が進んでいないように見受けられます。
とくに小売業、飲食業ではそれが顕著ではないでしょうか。
人と人が関わる「店舗営業」である以上、仕方がない部分もありますが、
なぜ、このようになかなかデジタル化が進んでいかないのでしょうか。
その実態と、デジタル化によるメリットデメリットはどのようなものがあるのでしょう。
株式会社シムトップスが小売業を対象に、
賞味期限の管理について調査したデータがあるので参考にして考察してみたいと思います。
進まないデジタル化、デメリットとメリットは
まず、同社は賞味期限確認の頻度を尋ねました。
賞味期限チェックは68.5%が毎日行うと回答し、次点が1週間に1回の頻度で10.2%。
圧倒的に毎日チェックするというお店が多いようです。
毎日多くの商品の賞味期限をチェックしなければならないことを思うと、
これはかなりの苦労になることが想像に難くないです。
では、それら賞味期限の管理を何で行っているかというと、
1位が紙帳票で26.9%、2位が在庫管理システムで22.2%でした。
Excelやスプレッドシート管理と回答した人も8.3%おり、
やはりまだまだデジタル化が進んでいないことが分かります。
従業員の約40%が現行の賞味期限確認方法には満足できておらず、改善が必要であると考えらえます。
そんな中、デジタル化を進めていない店舗の半数近くがデジタル化を考えてはいるようですが、
依然それは半数止まり。
店舗業務をデジタル化することのメリットやデメリットにはどのようなものがあるのでしょうか。
①チェック漏れやミスのリスクが減る
人の目と手なので、やはりミスは生じます。
時間のないとき、業務に追われているときは
チェックがおろそかになると回答している人がいたり、
品数や種類が多く見落としてしまうという回答をしている人がいました。
このような人為的なミスは、デジタル化によってなくすことができます。
②時間や人件費を節約できる
慢性的な人手不足はどの業種にも言える問題です。
もちろん小売店もこの限りではありません。
毎日チェックしなければならない賞味期限管理業務をデジタル化することで、
時間と人の節約になりますよね。
③在庫破棄リスクが減る
デジタルで在庫を一元管理することにより、
人の手による管理不足によって生じる、過剰在庫や廃棄ロスのリスクを減らすことが出来ます。
①導入に費用がかかる
デジタル化を進めるにあたって、プランなどにもよりますが、
モバイル端末代金やシステム構築費用などが必要になります。
大企業ならば支店それぞれに導入しなければならないため、
かなりの導入費がかかることを覚悟しなければなりません。
②データ入力の誤りが頻発し、精度が担保できない
デジタル管理とはいえ、その数字データを打ち込むのは人間だったりします。
「60」のところを「600」と入力していたら大変なことになります。
手書きだとこういったミスは起こりにくいので、
このあたりはデジタル化において気を付けなければいけない点ですね。
③データ更新が遅れると、最新の情報を確認できない
例えばExcelのデータなどで共有していれば、最新データのタイムラグは皆無です。
誰かが入力して保存さえしていれば、即時反映され、常に最新データの状態です。
紙帳票も同じです、離れている店舗のデータも写真化して送るなど対応が出来ます。
しかし、デジタル管理だと、
そのデジタル管理システムを提供しているサーバーの状態によって、データが左右されることがあります。
サーバーに不具合が生じれば、入力したものの反映が即時されないということも起こってしまうのです。
以前、某大手銀行のシステムがダウンし、入出金できないということが起こりましたよね。
これがデジタルの怖さで、場合によっては損失を被ることもあります。
④システムが複雑で担当者の教育が必要
どのようなシステムをどの程度使用するかにもよりますが、
様々な業務管理のデジタル化を進めれば進めるほど煩雑になります。
特にデジタルネイティブ世代でない人たちにデジタル管理を任せようと思うと
相当の教育が必要になります。
教育担当の人件費に、教育の時間、それらも考慮しなければなりません。
まとめ
いかがでしたか?
こうしてみてみると、デジタル化にもまだまだ課題は残り、
一概にDX化を進めるべきだということは難しいかもしれません。
人件費や時間と折り合いを付けながら、ぜひ自分のお店にとって最適な方法を選んでくださいね。