2024.03.04
貸店舗契約時の注意【店舗の開業なら塊】
貸店舗を探そう!
こんにちは、株式会社塊です。
店舗開業を志したらすぐに行っていただきたいのが「物件探し」です。
以前にも何度か書きましたが、良い物件に巡り合えるかどうかは運とタイミング次第です。
そしてそれをつかみ損ねないように開業のかなり前のタイミングで網を張り巡らし、こまめに新規物件情報をチェックすることが大事です。
まず出店希望地域、それからキャパシティなどを決めたら開業の約半年程前から探しはじめましょう。
ここで探すときにもう少し条件を絞っておきましょう。
・居抜き物件なのか、スケルトン物件なのか
・近隣の店舗状況や治安
・築〇〇年以内
などなどもう少し希望物件を明確にします。
中でも良く考えてほしいのが「居抜き物件」なのか「スケルトン物件」なのか、ということ。
そもそもスケルトン物件、居抜き物件という言葉も初めて聞く…という方もいるかもしれません。
スケルトンとは骨組という意味で、その名の通り何も内装などが施されていない物件を指します。
そして居抜きとは一つ前に入居していた店舗の内装や設備がそのまま残っている物件のことを指します。
これは不動産用語で「残置物」と表記され、「残置物あり」なら居抜き物件ということになります。
居抜き物件は工事費用が安く済ませられると思われがちで、貸店舗を探している方からはよく好まれます。
皆さんの中にも居抜き物件に絞って探している方も多いかもしれません。
しかしここで一つ考えてほしいことがあります。
「その居抜き物件、本当に安く済みますか?」ということです。
最近こんな方がいらっしゃいました。
焼肉屋を経営したい40代男性Aさん、タイミングよく前入居者が焼肉屋の居抜き物件を契約しました。
焼肉屋さんは飲食店の中でも最も施工代がかかる業種の一つで、特に換気など空調関係は他業種と比べて数倍のお金がかかると言われています。
そんな費用が浮いたのだからウキウキでご相談に来られました。
しかし実際店舗の現地調査をしてみると、表装(内装、家具等)はまだ何とかなりそうでしたが、設備関係は経年劣化でボロボロ、居抜きのままの使用は不可能だったので結局全解体してスケルトン状態に戻し施工を行わなければならない状態でした。
そうなってくると解体費用が必要ない分スケルトン物件の方が安くついた、ということが起こります。
なかなかこの判断は建設関係の知識がないと判断が出来ないのですが、安易に居抜き物件だからスケルトンより安くなる、とは思いこまないでほしいのです。
貸店舗契約の際に注意したい4つのポイント
上記のようなスケルトン物件と居抜き物件の見極めは勿論、他にも4つ貸店舗契約時に絶対に気を付けてほしいポイントがあります。
①契約期間と契約形態の確認
私たちが住んでいる賃貸とは違って、商業店舗用物件には「定期建物賃貸借契約」という契約形態をとっているものがあります。
どういったものかというと、〇年間契約など契約期間を設けている契約形態で、その契約期間を満了すると更新をしないと引き続き借りることが出来ないという契約形態です。
中には契約満了時に自動的に契約が終了してしまう物件がありますので、更新が可能なのかきちんと確認しておきましょう。
②保証金と敷金の確認
一般住宅の敷金礼金と同じく、店舗契約時には保証金や敷金などがかかります。
こちらは契約時に支払うものとなりますので、しっかり確認しましょう。
また解約時にはどれだけのお金が戻ってくるかの確認もお忘れなく。
③解約についての確認
中途解約の条件や契約解除の条件、退去時の条件を確認しましょう。
中途解約とはその名の通り契約途中で退去すること。告知は何か月前に必要か、違約金はいくらかなどを確認します。
契約解除とは家賃滞納等、借主に問題が生じた際に、貸主側から契約を強制的に終了できる制度のことを指します。
契約解除を申し渡された際に交渉が出来るかどうかなども確認できると良いでしょう。
退去時の条件として「原状回復」を提示している物件も多くあります。
どの程度まで行わなければならないのか、施工会社は貸主選定なのか、自分(借主)選定が可能なのかなどをしっかり聞いておきましょう。
ここが一番トラブルの元となるところです。
また退去の際は、原状回復にかかる期間も考慮して退去日を相談しましょう。
④特約の確認
賃貸借契約書は長いし仰々しい言葉で書かれることが多いので、つい流し読みをしてしまいがちですが、きちんと事前に確認しておきましょう。
特にこの「特約」については、オーナー独自に定めた他物件と異なる取り決めになりますので、よくよく確認し不明点がある場合は事前に聞いておきましょう。
気を付けてほしいポイントをざっくり紹介しましたが、実際の契約の際は本当に慎重に行ってくださいね!
一度契約してしまうと、すぐ解約というのは賃貸契約の場合なかなかできません。
そして解約に至ったとしても少なくない額のお金がかかります。
今後何十年とお付き合いが生まれる貸主、物件かもしれませんのでしっかり吟味して決めて下さいね。