2025.06.17
暑さによる食中毒にご用心!【店舗の開業なら塊】

ウイルス性→細菌性の食中毒へ
こんにちは。
株式会社塊です。
先日SNS「X」で神戸市のラーメン店で集団食中毒が発生し、話題になりました。
ラーメン自体は、具材や麺に火を通して提供される温かい料理なので食中毒は発生しにくいのですが、
神戸市某店のラーメンには、レアの状態の鶏チャーシューがのっていたため、それに付着したカンピロバクター細菌が原因で集団食中毒を引き起こしたようです。
東海地方の梅雨入りが先週月曜日の6月9日に発表されましたが、今週はずっと雨は降らないようです。
さらには、昨日(6月16日)から全国的に夏日、真夏日を観測しており、6月にもかかわらず本格的な夏が到来したと言われています。
今日も名古屋は34℃予想で、千葉や茨城には熱中症アラートも出ているんだとか。蒸し暑い日々が続きます。
さて、熱中症にも気を付けなければなりませんが、この時期気を付けたいのは「食中毒」です。
飲食店は勿論、家庭でも起こりやすくなりますのでしっかりと対策をしていきましょう。
食中毒は1年を通して起こる健康被害のことで、有害な物質が付着した食品を食べることによって引き起こされます。
主に、細菌性食中毒、ウイルス性食中毒、自然毒食中毒、化学性食中毒という4種類に分けられ、前者の2種類が頻発します。
2025年冬~春時期は、例年より多く食中毒の発生が報告されました。
これは主に、ノロウイルスやロタウイルスというウイルス性による食中毒の報告でした。
食中毒の原因のほぼ半数を占めるノロウイルスは、冬場に活性化します。
秋~冬~春にかけてこのようなウイルス性の食中毒が流行したかと思えば、ラーメン店の原因となったカンピロバクターなどの細菌性の食中毒がこれから流行します。
夏場によく起こる食中毒は、カンピロバクターや大腸菌、サルモネラ菌といった細菌が原因となって引き起こされます。
20℃~50℃で活発に増殖し、特に35℃~40℃で最も増殖が速くなるこれらの細菌は、高温だけでなく高い湿度も大好物です。
例年であれば7月中旬頃から気を付ければよいのですが、本日の名古屋が35度に迫る勢いな上、今は梅雨時期ということもあって多湿が予想されるので、早い対策が望まれます。
細菌性の食中毒を起こさないためには
①冷蔵庫の温度のチェックをする
食品にはそれぞれに適した保存温度があります。
食肉・食肉製品 | 10℃以下 |
生鮮果実、野菜 | 10℃前後 |
生鮮魚介類 | 5℃以下 |
冷凍食品 | -15℃以下 |
冷蔵庫に物を詰めすぎると、適切な温度を保つことが出来ません。
表示温度に常に気を配るようにしましょう。
②手洗いの徹底
石鹼を使って、爪の間や指の間もしっかりと洗いましょう。流水でしっかりと濯ぐことも忘れずに。
最低でも20秒以上かけて洗うことが推奨されています。
調理前だけでなく、トイレ使用後や生鮮食品を扱う前、その他用事でその場を離れて戻ってきた時など、こまめに洗うことが大事です。
さらに手洗い後にアルコール消毒をするとより良いでしょう。
③十分に食材を加熱する
75℃で1分以上の加熱を行い、中心部までしっかりと火を通しましょう。
近年低温調理が流行っていますが、その際には70℃で3分以上、または63℃で30分以上の加熱が必要となります。
63℃未満では十分な殺菌ができないので、十分気を付けるようにしてください。
ただ、一部の細菌の中には、加熱後も生き残るものがあります。ウェルシュ菌やセレウス菌がその代表的な菌ですが、ウェルシュ菌は調理後に冷凍・冷蔵することで繁殖を防ぐことができ、セレウス菌は調理後に冷蔵保存または温蔵保存(55℃以上)で防ぐことが出来ます。
どちらも、調理後すみやかに食すことによって発生はほとんど防ぐことができます。
④調理器具の消毒をする
調理器具の洗浄・消毒を徹底しましょう。
異なる食材を扱うときは、調理器具を分けるとベターです。
飲食店で食中毒発生時の保険は?
飲食店で食中毒が起きた場合、客への補償だけでなく、営業停止処分や風評被害などへの対処も行わなければなりません。
被害に遭ったお客さんへの賠償をカバーするのが「生産物賠償責任保険(PL保険)」です。
扱う会社によってカバー内容や金額が異なりますが、風評被害や営業停止時の補償をしてくれるものもあります。
また、しっかりと説明をすることも風評被害を最小限に食い止めるのに役立ちます。
食中毒の発生は故意ではないため、批判コメントにいら立ってしまうのも最もですが、反論したりせず、説明と被害に遭われたお客さんに対しての謝罪を真摯に行いましょう。
まとめ
年々と暑くなる日本列島。
100年あたり1.4℃年平均気温が上昇しているだけでなく、夏季における猛暑が厳しくなっています。
先日も、運動会を取りやめる小学校や、お祭りを2ヶ月前倒しする自治体などがニュースに取り上げられていました。
夏のあたりまえの風物詩が気候によって変わってしまうというのが実際に起こっています。
年々、気温が上がり暑い期間が長くなる中、熱中症や脳梗塞、心筋梗塞、夏風邪、そして食中毒など、高温によって引き起こされやすくなる健康被害の対策が望まれます。
衛生管理の徹底は勿論、休眠や体調管理を行い、万が一のために保険への加入をおすすめします。
日本の猛暑と上手く付き合って、良い夏を過ごしましょう。