2024.05.21
対人距離を理解して家具の配置をしよう【店舗の開業なら塊】
対人距離とは
こんにちは。
株式会社塊です。
空いている電車なのに自分の隣に誰かが座った時、少し嫌な気分になったことはありませんか?
広い狭いには個人差がありますが、
私たちはそれぞれ、対ヒトにおける自分の縄張りを持っているのです。
それが侵された時には、嫌な気分になったり攻撃的な気分になったりします。
このような人と人におけるコミュニケーションの距離に関して、
アメリカの文化人類学者であるエドワード・ホールが研究を行いました。
これを「対人距離」と呼びます。
彼はまず、その距離ごとに4種類に分類しました。
①密接距離
0~45㎝までの距離のことで、
家族や恋人などごく親しい間柄の人との距離を指します。
いわゆるパーソナルスペースにあたり、他人がこの範囲に入ると不快に感じます。
②個体距離
45~120㎝までの距離のことで、
手を伸ばせば届くくらいの範囲のことを指します。
友人など知り合い関係の人との距離のことです。
相手の表情が見える範囲はこれくらいです。
③社会距離
120~360㎝までの距離のことで、
手が届かない範囲のことです。
コロナ禍中によく聞いた「ソーシャルディスタンス」はまさにこれにあたります。
手の届かないくらいまでの距離をとり、感染を予防しようという取組みでした。
④公衆距離
360㎝~の距離を指します。
授業や講演会など1対複数間での公的な関係に用いられる距離です。
社会距離をとった家具の配置
他人が入ると不快になる領域、つまり「パーソナルスペース」は
先ほど記したように個人差が結構あります。
人種や性別によって異なることも分かっています。
ハグの文化がない日本などアジア圏においては、特にこのパーソナルスペースを広くとる傾向にあると言われてます。
店舗を作る時に意識したいのは、上記③の社会的距離です。
隣り合うお客さん同士は他人にあたるので、
テーブルの椅子と、隣のテーブルの椅子との間が120㎝程度とれると良いでしょう。
テーブルとテーブル自体の間は大体80㎝ほど離して配置すると、丁度いいくらいだと思います。
例外はカウンターなどの1人席です。
こちらも他人同士が隣り合うのに違いないですが、
120㎝も距離を設けていては、席数を稼ぐことができません。
①の密接距離以上の距離を考えると良いでしょう。
いくら席数を増やすためとはいえ、近すぎる距離はお客さんに不快感を与えてしまいます。
カウンターをL字にするなど配置を工夫して、出来るだけ椅子と椅子の間のスペースを確保できるとより良いです。
このようなお客さん同士の距離だけでなく、お店への入退店時の動線も考えて配置してください。
特にビュッフェスタイルのお店は、お客さんの往来が激しくなるので
要らぬ問題を生まないためにも、動線のことは把握したうえで家具設置を行ってくださいね。