2025.04.07
前の店舗のせいで印象が悪くなることも?居抜き物件の話【店舗の開業なら塊】

居抜き物件で開業するという選択肢
こんにちは。
株式会社塊です。
2024年の飲食店倒産数が過去最多となったようですが、補助金の終了や物価高・人件費の高騰からこの流れはまだまだ続くと予想されます。
しかし、なくなるものが多ければまた、出てくるものも多くなります。
大量閉店の後は、新規店舗を開業する絶好のチャンスです。
競合他店が減りますので、経営もやりやすいでしょう。
また、閉店後の居抜き店舗を狙って開業すれば、初期費用を抑えることも可能です。
居抜き物件とは、前入居者の店舗内内装や設備が残っている状態の物件のことを言います。
どれくらい残っているかは物件によって様々で、壁紙や家具、お皿や細かいインテリアなどもそのままそっくり残っているような物件もあれば、
エアコンや厨房などの設備のみが残っている物件もあります。
居抜き物件の良いところは、なんと言っても改修費用が抑えられること。
家具等も備え付けのものを使用するならば、クリーニングのみで済むということもあります。
イチから物件を作ろと思うと数百万円~数千万円かかりますが、クリーニングのみであれば数十万円~数百万円で済みますので、その差は歴然です。
上記は極端な例でクリーニングのみで済ませることは稀ですが、それでも一部改修や備品・家具購入で済むとなると、やはり大分安価に抑えることが出来ます。
スケルトン物件(なにもない状態の物件)に比べると、居抜き物件はほとんどの場合が安価な初期費用での開業が可能です。
居抜き物件で開業して失敗?どのようなリスクがあるのか
このように聞くと、居抜き物件を選択した方がいいのではないかと思いますよね。
しかし、居抜き物件での開業には思わぬ落とし穴もありますので、慎重に見極めることが大事です。
①前店舗の悪い印象が受け継がれてしまうことがある
イタリアンバルをオープンした知人がいました。
彼はバーとして使用されていた居抜き物件を改修して、そのお店をオープンしました。
ですが、改修と言ってもそう大きくは変えなかったようです。
バーカウンターとテーブル2席ほどでバルにもちょうどよく、内装もオシャレだったので、改修したのは壁と床の貼替とトイレくらいでした。
内装もオシャレだし、味も申し分ない。なのになかなかお客さんが来ない様子でした。
話しを聞いていると、SNSやMEO対策、広告にも力を入れているそう。
それにも関わらず、開店当初にここまでお客さんが少ないというのはあまりない話です。
なぜでしょうか。
その理由はそのテナントの悪評にありました。
もともとそのテナントに入っていたバーですが、ガラの悪い人たちが集まると悪い評判があったようなのです。
そういった評判だけでなく、騒音のことで近隣住民や近隣店舗と実際に揉めたりもしていたそうです。
そのテナントには上記のような良くない印象がついてしまっていたので、新しいお店をオープンしてもその印象が拭えず、なかなか客足が伸びないようでした。
何も知らない遠方からのお客さんは獲得できますが、近隣のリピーター客を獲得するのにはとても苦労していました。
数年かけてようやくお客さんもついたようですが、その間は移転を考えるほど大変だったそうです。
②厨房のリース費用の債務がかかることがある
冷蔵庫やガスレンジ、フライヤーや食洗器など店舗用厨房機器を揃えるのには大変なお金がかかります。
そのため、大体の方が中古で購入したりリースで契約したりするのですが、
居抜き物件でリースの厨房機器が設置されている場合、注意が必要です。
この場合はリースの権利も次のテナント契約者に譲渡されるため、債務を負うことになります。
なのでテナント契約時にはテナントの契約内容だけでなく、
リース契約の残額と契約年数、契約内容をきちんと確認して把握することが大事です。
それぞれの厨房機器によって残額や内容、契約年数が異なる場合があるので一つ一つ確認しましょう。
故障時のメンテナンスはどうするのかなども確認してください。
③家具や備品、設備などに悪臭や老朽化、不備等がある場合がある
備え付けの家具や備品、設備は金銭面から見ると大変お得ですが、それらが老朽化していたり、不備があったり、悪臭がある場合があります。注意してください。
不備があると、数ヶ月~数年で使い物にならなくなることがあります。その際にはもちろん買い替えが必要です。
また、トゲや釘が出ている、ヒビが入っているなど危険性を孕む場合もあります。
最悪の場合、お客さんが使用した際にケガ等を負ってしまうかもしれません。十分注意てください。
また、古い設備の継続利用は害虫の発生を招いたり、光熱費の不要な高騰を招くこともあります。
まとめ
スケルトン物件での開業も、居抜き物件での開業も、どちらもそれぞれデメリット・メリットがあります。
一般的に居抜き物件の方が人気ですが、居抜き物件には上記のようなリスクもあることを忘れてはなりません。
また、居抜き物件は内装変更の自由度が少ないので、結局移転したくなる・改修したくなる方が多いのも事実です。
しっかりとそれぞれを比較するだけでなく、該当物件の契約内容や現在の状況を確認することもお忘れなく。