2024.05.12

お世辞でジム退会者が増える?【店舗の開業なら塊】

フィットネスジムの退会率とお世辞との意外な相関性

こんにちは。

株式会社塊です。

先日、日刊SPA!さんである記事を見つけました。

タイトルは「インストラクターのお世辞が上手なフィットネスクラブほど退会者が多い」というもので、

内容はジムのインストラクターのふるまいとお客さんの退会率の相関性に関するものでした。

もう少し内容を詳しく見ていきましょう。

ある大手会員制ジムではその高い退会率に悩んでいました。

その年間平均退会率はなんと37%。

3人に1人が辞めてしまうと考えると、これは見過ごせない高い割合です。

理由を口頭で尋ねても、

「忙しくなったから…」や「なんとなく…」など

漠然とした答えしか得られなかったようです。

そこで、施設・設備、レッスンメニュー、インストラクター、現在の状況など

50項目ほどのアンケートを作成し、退会者に回答を求めてみたそうです。

その中でたった1項目だけ退会率との相関性が見られたらしいのですが、

それが「スタッフとインストラクターによるお世辞」だというのです。

普通に考えたらお世辞は言われて嬉しいものですし、

それをきっかけにコミュニケーションが始まるということを考えても、

悪いものではないはずです。

しかし、お世辞が多い

つまりインストラクターとお客さんの距離が近い店舗では退会率が増えてしまう。

なぜなのでしょうか。

もっと深く分析してみると、そこには古い会員と新規会員の隔たりに関係が認められました。

古い会員、いわゆる常連はインストラクターやスタッフと仲が良いものです。

褒めたりなども日常的に行うでしょう。

しかしこれを見た新規会員は居場所がないような心持ちになります。

お世辞を嫌うというのは、自分に向けたお世辞を嫌うというよりは、

誰か他の人に向けたお世辞を聴くこと=コミュニケーションが活発であること 

に対する疎外感を嫌うということであると言えるでしょう。

このような従業員と会員の距離感が退会率の上昇に繋がっていたというのです。

 

従業員とお客さんの理想的な距離間

これは何もフィットネスジムだけに言える問題ではありません。

先日、今池にあるオシャレなバーに友人と入店しました。

たまたま見かけて雰囲気が気に入ったから立ち寄ったのですが、

入店してみるとほぼ空席はなくお客さんでいっぱい。

人気店のようでした。

人が多いせいもあったのでしょうが、

入店した私たちには何の声もかけてくれず、座っていいのかもわからない状態で

結局適当に空いている席に座ることにしました。

しかし店員さんは他のお客さんとの会話に夢中でこちらに気付かない。

メニューも渡されず、注文も聞きに来ない。

もちろんおしぼりやコースターなども出ない。

他のお客さんは皆常連のようで、店員とだけでなくお客さん同士での会話も盛り上がっていました。

礼儀として1杯は飲んでお店をすぐに後にしました。

そのお店に私も友人も二度と行くことはないでしょう。

このような古くからの顔見知りの客と新規客との問題は飲食店にありがちです。

昔からずっと通ってくれるリピーター客を大事にするのはもちろん大切なことですが、

新規客をとれない飲食店はやがて潰れます。あまり例外はありません。

お客さんと仲良くしすぎる、情を入れすぎることは無用なトラブルの元にもなりかねません。

お客さんと従業員の適切な距離に明確な答えはありませんし、

なかなかその距離を保つのも難しいですが

自分の中やお店のルール・境界線を事前に定めておくというのは一つの手です。

お客さんに優劣はありません。

リピーターも新規のお客さんも同じくらい大切にしながら、

従業員もお客さんも居心地の良いお店というのをぜひ目指してくださいね。

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