2025.04.25
後継者がいない飲食店を経営するという選択肢【店舗の開業なら塊】

中小企業の50%以上が後継者不足に悩む現状
こんにちは。
株式会社塊です。
いま、日本では企業やお店の後継者不足が深刻です。
帝国データバンクによると、2024年中小企業の50%以上が後継者不足に悩んでいるそうです。
後継者を選定する方法としては大きく分けて3つあります。
1つ目が親族に継承する方法。
これが中小企業においては一番ポピュラーになっています。
家族経営をしていところも多く、信頼できる親族に継承するのは安心です。
我が子ならば尚更自分の跡を継いでほしいと思うのが親の心というものです。経営者も親ですからね。
しかし、継承権争いが起こったり、能力のない次代に継承してしまい数年で倒産することになってしまったり、従業員と親族とで軋轢が生まれたりと、親族経営は色々と問題も孕んでいます。
メリット・デメリットそれぞれある親族経営ですが、最近は特に、跡を継がず自分の好きなことをやりたいと思う子どもも多く、そもそも継承が難しい状況にあります。
そうでなくても少子化の昨今、継承者候補がそもそもいないという状況も多くみられるようです。
2つ目が役員や従業員に継承する方法。
こちらもよく見られる継承方法です。
最近、カレーハウスココ壱番屋FCを運営する株式会社スカイスクレイパーの社長に、22歳の女性が就任し話題になっていました。
彼女は高校一年生からココイチでアルバイトとして働き、社長にまで登りつめました。
このように、役員や社員から後継者を選任することで、業務に長けて会社内情を理解している人に託すことが出来るので、経営に対する安心感はあります。
取引先の理解も得やすく、企業文化や社風を守ることにも繋がります。
しかし一方で、該当社員の資金力がなく、そもそも会社譲渡が難しい場合も多く散見されます。
通常、中小企業が株式会社の場合は代表者がオーナーであることが多く、100%の株式を保有しています。
譲渡の際には、その株式も次代に譲らなければならないのですが、もちろんタダで移すという訳にはいかず、株式に対する対価を支払わなければなりません。
その対価を支払えるだけの資金力のある社員がなかなかいないため、継承が難しいということもあるのです。
3つ目は事業提携などで社外の人に継承する方法です。
これは最近少しづつ増えている継承方法です。
外部から広く後継者を募れるので、優秀な人材に次を任せる可能性が高まります。
事業提携により、会社規模は必然的に大きくなるので、より発展を見込めます。
ただ、これにもデメリットが様々あります。
まず、事業提携の一番の問題は社風や体制がガラッと変わってしまうこと。
社員の不満や離職に繋がりやすいです。
取引先や株主の理解もすんなり得られるとは限りません。
そもそも理想の事業提携先がすぐに見つけられるかというと、そうではありません。
もし見つかったとしても、提携には煩雑な手続きが必要となるので、すぐに稼働できるかというそうではありません。
これらから分かることは、そもそも後継者がいないという問題だけでなく、いたとしても任せられないという問題もあるということですね。
オーナーと後継ぎを繋ぐマッチングサービスの登場
後継者不足は本当に深刻な問題で、このままだと日本の技術が途絶えてしまったり、名店の味が途絶えてしまったりします。
なんとか出来ないかと立ち上がったのが「吉野家HD」でした。
2024年11月、事業を続けたい飲食店に後継者候補を紹介する「アトツギレストラン」というマッチングサービスを開始したのです。
まず、後継者候補は最低6か月はお店でトレーニングをします。
この間にオーナー側はお店の味をしっかり伝えることが出来ます。その上で、候補者が後継ぎにふさわしいかどうか見極めます。
後継者候補はこの間に、お店の売り上げや利益などお金の流れを把握できます。これは自分が経営した際に採算がとれるかどうかの判断材料になるでしょう。
それらを経て、合意が起こったら店舗継承の手続きが行われます。
このサービスの良いところは、まず、オーナーはお店やお店の味を途絶えさせることなく残すことが出来るということ。
バックアップに吉野家という大きな会社がついているというのも安心ですね。
そして、後継者はそのままお店を引き継ぐので、初期投資を低く抑えられます。
これは一番大きなメリットです。
飲食店を開業するのには、業種・業態・規模にもよりますが500万円前後はかかります。
それらの初期費用をほとんどかけることなく開業が出来るというのは、大変大きな利点です。
金銭的なリスクを恐れて開業に踏み切れないという方はすごく多いのですが、これならば低リスクで始めることができます。
一つの選択肢として考えてみるのはいかがでしょうか。
ただ、やりたいお店の理想やコンセプトがある場合、アレンジがなかなかできないというのは足かせになります。
もし、自分の思うように自由に経営をしたいと思うなら、あまり適切な選択肢ではないかもしれません。
しかし、自分の好きなようにお店をやりたいというよりは「飲食店が経営したい」と考えている方にはとてもおすすめです。
安価な初期費用ということだけでなく、煩わしい手続きが省略されたり、コンセプトや目玉商品をイチから考えなくてよく、常連客が既についているというメリットもありますからね。
自分がどのような店舗経営者になりたいのかよく考えて、様々な選択肢を探ってみて下さい。
思ったより店舗経営者になるのは難しいことではありません。
色々な角度から「店舗経営」を見るというのも面白いかもしれませんよ。