2025.06.11
小売業はもう流行らない?”ちいさなお店”に見出す活路【店舗の開業なら塊】

振るわない小売業
こんにちは。
株式会社塊です。
4月に安城市に「ららぽーと安城」がオープンしました。
秋には岡崎市に三井アウトレットパークがオープン予定で、愛知の三河地方も今後活気づきそうです。
安城のららぽーとは2ヶ月経った今もまだ多くの来客数があり、平日でも駐車場が満車になるんだとか。
大型ショッピングモールは高い人気を誇りますが、近年はイオングループよりもららぽーとやアウトレットを運営する三井不動産の方が人気の印象がありますよね。
そんな人気とは裏腹に、2025年開業のショッピングセンター数は振るわないそうです。
日本ショッピングセンター協会が発表した、「SC(ショッピングセンター)業界の動向資料」によると、2025年開業予定のショッピングセンターは16施設の見込みで、これは1975年統計開始以来、最少の開業数となるそうだというのです。
昨年が36施設なので、半分以下ということになります。これはコロナ禍の打撃を最も受けた2021年の24施設と比べても突出して少ない数になっています。
ここ2~3年の資材価格や建築コストの高騰により開発が先延ばしになっているため、足踏み状態なのではないかとの見方もありますが、
オンラインショッピングサイトの台頭や物価高騰による消費者の買い控えも影響してるのではないでしょうか。
これは日本だけでなく、アメリカでも同様のムーブメントにあります。
アメリカでは2025年、小売業の店舗閉鎖数が1万5000店舗に達する見通しだそうです。これは2024年(7325店舗)の2倍以上、2023年(5473店舗)の3倍近い数字となっています。
さらに問題なのは、出店数と閉店数に大きな乖離があること。
2025年は小売店舗の新規出店数が5800店舗と予想されていますが、閉店数は1万5000店舗なので、閉店数が出店数の2.6倍ほどになっているのです。
コロナ禍以降、アメリカ国内における小売業店舗閉鎖数が増加傾向にありますが、昨年までは閉鎖数と新規出店数にここまでの乖離はありませんでした。
アメリカでも小売業経営の難しさが浮き彫りになっているようです。
”ちいさなお店”の開業に勝機を見る
昨日、2024年度はカレー店の倒産が過去最多になったという情報が、帝国データバンクより発表されました。
パン屋の倒産も過去最多となり、焼肉店や洋菓子店、ラーメン店の倒産数も過去最多なんだとか。
さらにはここ最近のコメの高騰により、2025年6月現在弁当店の倒産件数が過去最多ペースのようです。
このように飲食店も苦境に立たされている中、それでも新規開業が2024年は58,351件と、2023年(65,020件)より鈍化しているもののそれなりの数字が立っています。
そんな背景の中、いま新規開業店舗の業態に多いのが「ワンオペ」営業。またはそれに準ずる”ちいさな店舗”の開業。
一人ないし数人で見れる範囲のキャパシティと作業内容で、小さく開業するというのがトレンドになっています。
これはクリニックなどにも言えることで、病床数を多く誇る大型クリニックの新規開業が鈍化する中、病床を持たない一般診療所は7,803施設が新規開設しました(2022年10月~2023年9月)。
先日、大手脱毛サロンが会社を解散することを発表しました。
近年では、脱毛ラボや銀座カラー、アリシアクリニックなど、知名度が高く多くの店舗を展開していた大手サロンの倒産も相次いでいます。
その一方で、個人店舗での脱毛サロン開業は以前ほどの勢いはないものの、堅調な開業数を出しています。
エステサロンも大手の大型店舗より個人の中小型店舗での運営が増えているようです。
小売業はこれからの時代は ”ちいさく” 運営することがカギとなるでしょう。
小規模の店舗は、開業時のイニシャルコストを抑えられるだけでなく、運営時の賃料や光熱費、人件費などの経費を抑えることができます。
先日、知人のセレクトショップ運営オーナーが、お店を辞めたと言うので覗いてみると、そこは事務所に様変わりしていました。
実店舗販売ではなく、ECサイトメインの販売に切り替え、店舗を事務所兼倉庫に改装したんだとか。
このような業態転換も、小さな店舗経営ならではの柔軟性が生きているから出来ることです。
また、脱毛サロンを運営していた友人はネイルサロンに業種転換をしていました。
しがらみが少ないため自由度が高く様々なことにトライ出来るのも、少人数小規模の「小さな店舗」ならではです。
数ヶ月前はお米が5㎏4000円や5000円になるなんて想像もしなかったように、今この時代は何が起きるかわかりません。
情勢が安定しない昨今、小売業の勝機は”ちいさな店舗”にあるのかもしれません。