2025.05.28
増えるテイクアウト専門店【店舗の開業なら塊】

増えるテイクアウト専門店
こんにちは。
株式会社塊です。
皆さんこんな経験はありませんか?
ウーバーイーツで食事を注文しようとお店を選んでいるとき、
「あれこんなお店あそこにあったっけ?」「新しいお店がこの近所にオープンしたのかな?」……
私がウーバーイーツでよく注文するのは、そんな見たことも聞いたこともないお店の商品です。
こんなお店が近所に出来たんだなー、と思ってその近くを通った時に探してみるのですが、どこにも見当たらない。
何となくキツネにつままれたような気分になります。
「こんなお店あったっけ?」という出前アプリに登録されているようなお店たち、それらは実はテイクアウト専門店かもしれません。
富士経済の調査によると、2024年テイクアウト市場は7兆7,005億円で、前年比2.3%増となっています。

出典:富士経済「第24053号 コト消費に伴う飲食施設、テイクアウト、ホームデリバリーの市場調査」
2020年コロナ禍により落ちこんだテイクアウト市場でしたが、翌年以降その市場を順調に伸ばし、2024年以降も堅調に増加傾向にあると予測されています。
既存店でもテイクアウトやフードデリバリーの形態を取り入れるお店が増え、そんな中「テイクアウト専門店」なるお店も登場しました。
これは、コロナ禍以前、ウーバーイーツなどのフードデリバリー事業が導入される前にはほとんど見ることがなかった形態のお店です。
テイクアウト専門店の利点
テイクアウト専門店には様々なメリットがあります。
(1)運営コストを抑えることが出来る
テイクアウト専門店は、他飲食店と比べると運営コストをグッと下げることが出来ます。
基本的には1人ないし2人ほどの少人数で運営可能なため、まず人件費が抑えられます。
店舗に客席を設ける必要がありませんので、小規模でいいでしょう。そうすれば家賃が少なく済みます。
光熱費や清掃費、設備などにかかるお金も抑えることが出来ます。
(2)利益を確保しやすい
(1)のように運営コストを抑えることが出来れば、利益を確保しやすくなります。
同じだけの売上があったときに、かかる経費が少なくなれば自ずと利益率は上がるからです。
ただ、テイクアウトでは酒類の注文がほとんどないので、酒類で売上・利益を上げている居酒屋などの飲食店と比べると不利ではあります。
また、少し足りないから追加注文しようといったようなことが滅多に起こらないので、実店舗と比べたときにその点は不利になるでしょう。単価が低いという問題はあります。
(3)店舗にこだわる必要がない
テイクアウト専門店においては、客席を設ける必要がありません。内装も最低限でいいでしょう。
小規模な店舗で問題ないですし、立地にこだわる必要もあまりありません。
設備も実店舗ほど立派なものを準備する必要もないでしょう。
メンテナンスにかかるお金もグッと抑えることが可能です。
(4)開業にかかるコストが安い
テイクアウト専門店では、(3)のようにお店の内装にこだわる必要がありません。
開業時の施工費をほぼかけることなく開業が可能です。
もし、改装や新築工事を行うとしても小規模な店舗なうえ客席が必要ないので、施工費は少額で済むでしょう。
ワンオペでの開業が可能なので、その場合は新しくスタッフを雇う必要がありません。求人にお金をかける必要がないということです。
また、その場合には従業員教育をする必要もありませんね。
プレオープンなどのイベントもあまり必要ないでしょう。
名刺やユニフォーム、カトラリー、食器やコップなどの備品を揃える必要もありません。
その分、テイクアウト容器などの仕入れにお金がかかりますが、それらはまとめて購入するなどしてなるべく費用を抑えられると良いです。
ただ、テイクアウトの汁漏れ問題にはしっかりと向き合わなければなりません。
容器には妥協することなく、フードデリバリーなどで揺れたり衝撃があったとしても、漏れないような容器を準備してください。
まとめ
増えるテイクアウト専門店。
開業のしやすさから近年注目を浴びています。市場は拡大傾向にあり、経済動向も後押ししてくれていると言って良いでしょう。
ここで思い出すのは冷凍餃子の無人販売店のことです。
冷凍餃子無人販売店は、その開業のしやすさや利益率の高さから数年で急激に店舗を増やしました。
しかし、今やそれらの店舗はどうなっているでしょうか。
ブームの火付け役だった「餃子の雪松」は愛知県内に1店舗もなくなってしまいました。
テイクアウト専門店も同じような道を辿ることがないよう、工夫をしながら経営を考えてみて下さいね。