2025.05.14
スキマバイトは人手不足の救世主か【店舗の開業なら塊】

高まるスポットワーク市場規模
こんにちは。
株式会社塊です。
「友達との待ち合わせに2時間空きがあるから働いちゃおう」
スキマバイトの発展が目覚ましいです。
スキマバイトとは、1日あるいは数時間単位での雇用形態をもつ、短期的なアルバイトのことです。
一般的な短期アルバイトよりもさらに短く、1日のうち1~3時間程度の仕事がメインで、日常の隙間時間を使って働くことが出来ます。
履歴書や面接、登録なども不要なので、気軽に働くことが出来ます。
数時間の労働に限定されているので、職場の煩わしい人間関係などに悩まされることもないため、その点も労働者からは好評なようです。
昨年、そんなスキマバイト第一人者の「タイミー」が上場を承認されました。
数年前までは名前を聞くこともなかった「スキマバイト」ですが、最近ではCMでもよく目にするようになりましたし、周りでやっている人がいる、自分もやったことがあるという方もいらっしゃるのではないでしょうか。
最近では、メルカリやバイトルを運営するディップ株式会社、マイナビなどがスキマバイト市場に参入して話題になりました。
メルカリが運営するスキマバイト派遣サービス「メルカリ ハロ」では、2024年3月6日にサービスを開始して1年強で登録者が1000万人を超えたそうですよ。
このように、スキマバイト、すなわちスポットワーク市場は近年急速に拡大しています。
矢野経済研究所の調査によると、2022年度には前年度比30%増の648億円の市場規模となり、2023年度には27%増の824億円となりました。
また、タイミーが予測するスキマバイトサービスの市場規模は、主要3業種で約1.2兆円(物流業界2,000億円、飲食業界3,200億円、小売業界7,100億円)。全産業においては約3.9兆円にも上ると推計しています。
今後も市場の拡大が予想される業界です。
スキマバイトは人手不足の救世主か
帝国データバンクの調査によると、2024年度の「人手不足倒産」は350件発生し、2年連続で過去最多を更新したそうです。
「人手不足倒産」とは、従業員の退職や採用難、人件費高騰などを原因とした倒産のことを指します。
超高齢化社会による労働力人口の不足や、物価高・人件費高騰などを背景とした、人材不足が深刻化しています。
人手不足からコンビニや建設業界、介護業界で外国人労働者を見かけるようになって久しいですが、なかなかこの問題は解決が難しいようです。
そんな難問を解決する糸口になるのではないかと期待されているのがこの「スキマバイト」です。とり入れることでどのような効果がみられるのでしょうか。
①人材コストを抑えることが出来る
まず、タイミーなどのスキマバイト求人サイトへ掲載する料金は0円です。
実際に労働契約が結ばれて初めて手数料を支払うというシステムなので、採用コストがかかりません。
また、雇用するわけではないので、雇用保険や健康保険他、社会保険をかける必要もありません。
保険料もグッと抑えることが出来ます。
②採用手間の簡略化
スキマバイト従業員に対しては履歴書や登録作業、面接を不要とするので、採用手間が少なく済みます。
また、雇ったアルバイトを解雇したいと時、雇い入れ後だと辞めてもらうことは難しいですが、スキマバイトで雇い入れた場合は、その日その数時間限りの雇用となるので安心です。
どのような人材に来てもらうのかある程度選ぶこともできます。
③急な人手不足などにも対応できる
イベントや繁忙期、団体客の予約など、不測の人手不足にすぐ対応することが出来ます。
人手不足による顧客満足度の低下や、売上の減少は避けたいので、即日人員を確保できるというのは助かりますよね。
④長期的に働く人材を獲得することも可能
スキマバイトとして採用した後は、長期指名採用や正社員登用も可能です。
既に経験がある状態での採用となるので、労働者は仕事内容や環境への理解があります。
お店としても、既に働いている姿を見ているのでミスマッチがありません。
リスクを抑えながら低コストで正社員採用も可能になるということです。
確かに、お店にとってスキマバイトは救世主のような働きをしてくれるでしょう。
しかし、気を付けなければならない点もあります。
・当日欠勤やキャンセルのリスクがある
即日雇い入れが出来るのは良いことですが、反対にドタキャンのリスクもあります。
・人柄などの事前確認ができない
面接・履歴書などでの就業前確認が出来ないので、どのような人が来るのか来るまで分かりません。
思っていたのとは違う人材の可能性は大いにあります。
また、店に対するロイヤリティもないため、仕事がおざなりになる可能性もあります。
最悪の場合、レジのお金の横領などが起こらないとは言えないので、金銭の取り扱いには注意しなければなりません。
・教育/研修不足によるエラーが起こることも
「すぐ来て、すぐ働く」というスキマバイトでは、教育の時間を設けることが出来ません。
例えば、汚れているお皿を綺麗なお皿のところに置いてしまった、テーブル番号の覚え違いにより注文が混乱した、などのヒューマンエラーが起こることが予想されます。
・人件費が高額になる場合もある
タイミーで言うと、ワーカーへ支払う報酬の30%を手数料としてタイミーへ納めなければなりません。
また、ワーカー1人につき振込関連手数用200円がかかります。
時給1000円で5時間雇った場合、タイミーへは
時給1000円×5時間×手数料30%+200円=1870円支払わなければなりません。
もちろん、ワーカーには5000円の支払いを行います。
本当に困った時にスポットバイトとしてなら良いかもしれませんが、長期的な採用を複数人行う場合、結果としてスキマバイト募集よりもアルバイト募集の方が、人件費が安くついたということになりかねません。
まとめ
スキマバイトは確かに、雇用者にとっても労働者にとっても便利なサービスであると言えるでしょう。
しかし、もちろんデメリットも存在します。
スキマバイトを取り入れる前に、メリット・デメリットをよく考えてから行ってくださいね。