2025.05.26

「まかない」は給与で課税対象!?【店舗の開業なら塊】

飲食店における「まかない」制度

こんにちは。

株式会社塊です。

 

「まかない」:賄い。飲食店で働く従業員に提供される食事のこと。

飲食店でのアルバイト経験者の中には、このまかないの恩恵を受けていた人も多いはず。

私も大学生時分の時はこのまかない制度に助けられたものです。

懐石料理店ではたまにカニ雑炊などの豪華な賄いを出してくれましたし、焼肉店では上焼肉コースで提供するようないいお肉もたまに出してもらえていました。

 

まかないには様々なメリットがあります。

・(お店から見て)従業員に店の味を知ってもらい、お客さんにすすめてもらえる

・(お店から見て)従業員間のコミュニケーションの場となる

・(お店から見て)雇用の確保がしやすくなることがある

・(お店から見て)廃棄食材を有効活用できる

・(従業員から見て)食事代を浮かせられる

・(従業員から見て)味を学ぶことが出来る

確かに、手間や余分な代金がかかることはありますが、それを補って余りあるメリットがあります。

私の知人が今のバイト先に決めた理由が「まかないのある・なし」であったように、求人にお金をかけるくらいなら従業員に還元したほうが、自ずと人は集まるのかもしれません。

求人にかけるお金よりもずっと安価で済むことがほとんどですしね。

 

よく「まかない」と「食事補助」を混同する人がいますが、以下のような違いがあります。

まかない:飲食店などが従業員に対して、食事などを現物支給すること。

食事補助:従業員の食事代に対して、企業や店がその代金の一部を負担すること。

まかないは原則無料ないし割引価格での食事の現物支給であり、食事補助は金銭の一部負担という福利厚生にあたります。

 

まかないは福利厚生でなく、現物支給による「給与」にあたるということですね。

つまり、まかないは課税対象となるのです。

一体どういうことなのでしょうか。その仕組みを見てみましょう。

 

「まかない」の税務上での扱いは

「まかない」は税務上現物支給の「給与」にあたり、課税対象となります。

そのため、無料で従業員に提供しているまかないに対しては、所得税が発生します。

では、一体どれくらいの税金をまかないでは納めなければならないのでしょうか。

 

■アルバイト従業員3人、1食まかない費200円の場合

この場合、申告しなければならない「まかない」給与額は

200円×3人×300日(休日65日)=18万円です。

所得税はその従業員の年間給与によって割合が異なります。

国税庁「所得税の税率」より

アルバイトの所得税率は一般的に5~10%が多いと思いますので、今回は10%と仮定します。

18万円×10%=1万8千円

1万8千円の所得税を納めなければなりません。

これは本来なら従業員本人が納める税金ですが、所得税は会社が総支給額から差し引いて、従業員の代わりに国へ納めるのが一般的です。

しかし、まかないによって手取り額が少なくなるということをなかなか従業員に告知するのは難しいですよね。まかないのメリットを感じてもらえなくなるでしょう。

 

実状で言うと、無料で提供しているまかないを給与計上しているお店はほとんどありません。

しかし、もし税務署に指摘されたら、当たり前ですがこれは脱税にあたります。

税務調査では一般的に3年間遡りますので、指摘された場合は3年分の税金に加え、不納付加算税(10%)を支払わなければなりません。

もっと高い金額のまかないを、もっと多くの人数に、1日に1食だけでなく複数食提供していたとしたら、結構な金額にあたります。

しっかりとまかないも給与として計上し、課税するようにしてください。

 

しかし、以下の場合はまかないを「福利厚生」として計上できるので課税の必要がなくなります。

(1)従業員が食事額の半分以上を負担していること。

(2)食事額-従業員が負担している金額=1ヵ月当たり3,500円(税抜き)以下であること。

例えば、先の例で考えてみます。

まかないを無料ではなく、100円で従業員に提供するとしましょう。

この場合、従業員の負担額は半分以上となり、(1)を満たします。

(2)においては、200円-100円=100円

100円×31日(1ヶ月)=3100円<3500円となるので、(2)も満たすこととなります。

この場合は、まかないを福利厚生費として計上することが出来ます。

 

ただ、この場合、従業員にとっては実は損をしていることになります。

もしまかないが無料で、自己負担額がなければ、所得税を納める必要がありますが、この場合の所得税がいくらなのか計算してみましょう。

200円×31日×10%(所得税)=620円/月

となります。

もし、100円負担する場合は3100円/月となりますので、所得税として納めた方がお得になります。

ただ、心理的には無料だと思っているまかないから、税金が発生するというのは受け入れがたいという人が多いでしょう。

それならば100円という破格でまかないを食べられる方が、理解は得やすいかもしれません。

 

まとめ

まかないが給与にあたり、課税対象であるというのは意外と知らない方が多いです。

知らず知らずのうちに脱税しないためにも、どのような方法(給与計上する or 非課税対象とする)をとるべきか今から考えておくと良いでしょう。

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